営業の管理に日報・報告書は必要?案件管理や目標設定のマネジメント方法

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ゆか

日報って結構、時間かかるよね。管理する側は楽かもしれないけど

man
まっくす

どっちにも意味がある形で運用できるといいよね

営業管理はあまり科学されていない分野です。

一部の企業を除くと、感覚的に運用されていますし、工夫も少ないように思います。

日報、報告書、エクセル、Salesforceなどさまざまな管理ツールがありますが、導入するだけではあまり意味がありません。

日報を書くというルールだから日報を書くという運用では、デメリットの方が大きくなるでしょう。

ここでは、営業管理の手法や注意点について見ていきます。

営業管理の目的は?

まず、営業管理の目的ですが、大きく2つあります。

  • 成果を上げるため
  • 成果をコントロールするため

1つは、成果を上げるためで、成果を計測することで、それを改善していけるようにするためです。

2つ目は、成果のコントロールで、成果を伸ばしたり、今月の目標を達成したりするためです。

成果を管理するために、時間を管理したり、見込み顧客を管理したり、行動を管理したりするわけです。

営業管理の具体例

たとえば、以下のような数字がわかっているとします。

  • テレアポ200件→商談5件→成約1件
  • 1人あたり1日100件の電話をかける
  • 月に2,000件かけるので、1人あたり成約が10件
  • テレアポから成約まで平均で1ヶ月かかるので、前月に準備が必要

この場合には、成約以外にも以下のような目標を設定して、管理することで、成果をコントロールできます。

  • 1日のテレアポ目標
  • テレアポからの商談率
  • 商談数の目標
  • 商談からの成約率

成果と行動を管理する

この例では最終的な成果は成約ですが、それ以外にも中間の成果や行動を管理していくわけです。

  • 成果だけではなく中間成果(この場合は、商談数)
  • 成果や中間成果のための行動(テレアポや商談)

会社によっては成果だけを見るケースもありますが、営業初心者が多い場合には、行動を管理するのが基本です。

成果がうまくでないときに、行動量が少ないのか、行動の質がよくないのかを切り分けます。

もちろん、より具体的に見ていくために、定性的にトーク内容や話し方に関してもチェックしてフィードバックします。

営業管理のツール

行動と成果を管理する

管理ツールで何を管理するかですが、大きくは行動と成果を管理します。

どの会社でも多いのは、以下のような分け方ではないでしょうか。

  • 行動を管理する:日報、報告書
  • 成果を管理する:案件管理表

行動を管理するものがない会社はありますが、成果管理は必ずあるかと思います。

ツールは何を使うのがいいのか?

有料のものもありますが、無料のものを使っている会社が多い印象です。

Salesforceなどもありますが、高くて導入が大変ですし、それ以外にもあまり有名なサービスはありませんでした。

自分は基本的に、日報や報告書はテキスト、Excel、Wordなどで、案件管理もExcelやGoogleのスプレッドシートを使っていました。

営業が数百人いる会社でもExcelをメインに使っていたことがあります。

ツールよりもそのツールを徹底的に運用するほうが重要だということを学びました。

営業日報・報告書の活用法

営業日報・報告書は必要か?

あってもなくてもいいけど、初期はあった方がいいというのが個人的な感想です。

自分がプレーヤーのときは必要な時期もそうでない時期もありましたが、形骸的なときは無駄でした。

マネジメントをしているときには、営業をはじめたばかりの人や単純な業務をしている人は必須にしていました。

独り立ちしている人は、わざわざ毎日が必要なかったので、週1回の1on1などで済ませました。

営業日報・報告書の目的

営業日報は書く方と見る方で目的が変わります。

ただ、書く方の人は目標を意識して改善していくツールとして使う、見る方は数字で現れない定性的な状況を知り、フィードバックをすることで成果を把握し、改善するツールとして使うのがいいかなと思います。

  • 書く側
    • 目標を意識する
    • 振り返りを意識する
    • アドバイスを得る
  • 見る側
    • 定性的な情報を得る
    • フィードバックをする

自分の場合には、必ず成果や行動の数字目標を日報に記載してもらい、フィードバックを日報上、あるいは本人に直接伝えるようにしました。

コミュニケーションが生まれないと、管理するためだけのツールになり、効果は半減します。

典型的な営業日報のテンプレート

典型的なテンプレートは、以下のものを含みます。

  • 目標と実績、補足
  • 本日やったこと
  • 明日やること
  • 気づき

入社したばかりの人でテレアポ目標が100回だとしたら、その目標と実績、それに対する補足を書いてもらいます。

  • 80 / 100 架電以外の調べる時間が長くなり、未達となってしまった。1社あたりの調査時間に上限を設定して、改善していきます

すでに数字目標を持っていて、経験がある人は成果メインで以下のような報告もありえるでしょう。

  • 300 / 500 残200万円に対して、以下のヨミで来週、達成見込みです
    • Aヨミ 150万円:100万円 ◯◯会社、50万円 △△会社
    • Bヨミ 200万円:100万円 ✕✕会社、100万円□□会社

行動重視の場合には、時系列の報告を入れてもいいでしょう。

  • 9:00 ~ 10:00 ◯◯株式会社 往訪
  • 10:00 ~ 11:00 帰社、お礼メール作成
  • 11:00 ~ 12:00 架電

活用の3つのポイント

  • 管理の目的を決める
  • 目的に合わせた報告内容にする
  • 何らかの形でフィードバックする

成果を追いたいのか、行動を追いたいのか、何を改善したいのかといった目標が明確だと成功する可能性が上がります。

重点的に管理したい内容、相手の熟練度と、自分のスタイルを合わせてカスタマイズしましょう。

一番よくないのは、やりっぱなしなので、必ず内容に対するフィードバックをたまにするようにしましょう。

案件管理の手法

案件管理のポイントは、ステータスを正確に把握することです。

まだ、確定していないものもヨミとして管理するのが一般的ですが、そのヨミの精度も重要です。

典型的な案件管理表

よくあるのは上の方で人やグループごとの目標と実績がわかるようになっているものです。

目標 実績 達成率 Aヨミ Bヨミ
伊藤 100 50 50% 30 50
佐藤 100 80 80% 40 60
鈴木 100 120 120% 30 20
全体 300 250 83% 100 130

その下で、担当ごとに具体的な確定金額やヨミ金額がわかるようにします。

担当 ステー
タス
会社名 金額 商品
伊藤 確定 ◯◯
株式会社
50万円 商品A
伊藤 Aヨミ ◯◯
株式会社
30万円 商品B
伊藤 Bヨミ ✕✕
株式会社
50万円 商品A
伊藤 商談中 △△
株式会社

項目は会社によって違うかと思います。

新規の契約前と契約後で営業担当が変わったり、指標が大きく変わったりする場合には、表を分けたりもします。

メンタルが大事

何年か営業をやって一番思ったのはツールはあまり差がつきません。

ただ、管理手法は非常に差がつきます。

1人1人が目標を必達することや案件管理表の数字にコミットすることやヨミを正確に入れることは会社による差が大きいです。

どのツールを使うよりも結果を出すことに1人1人がコミットして、達成するマインドが大事かなと思います。

営業の目標設定の方法

ここまで管理手法についてみてきましたが、目標設定にも触れます。

まず、目標設定のポイントですが、3つほどあります。

  1. 達成したい数字から決める
  2. 現実性を担保する
  3. フェアにこだわりすぎない

1.達成したい数字から決める

1つ目のポイントは達成したい数字から決めることです。

現状の数字から考えてしまうと、かえって可能性が狭まってしまいます。

一旦、あらゆる前提をなくしてフラットに考えたうえで、達成したい数字を考えましょう。

2.現実性を担保する

2つ目に目標を達成できる形でメンバーに落とし込むのが必要です。

同じことをやっていくのにいきなり目標が2倍、3倍になっても実現可能性が低いです。

現実的でない目標はやる気を下げてしまいます。

1人1人が達成できるような現実的な道筋が見えている状態にしましょう。

3.フェアにこだわりすぎない

完璧にフェアに目標を決めることはできません。

目標の決め方はいろいろあります。昨年比、前月比、シェア割、担当顧客数や規模などがありますが、みんなが納得するものはありえません。

方針を決めつつ、個別数字は柔軟に調整して、納得感が上がる配慮をするしかありません。

さらに知っておきたいこと

ここでは、営業管理のツール・手法やポイントについて見てきました。

管理するための管理にならないように、1つ1つ目的意識を持つと効果的な管理ができるようになります。

ほかにも営業に関するコンテンツを書いています。こちらもぜひあわせてどうぞ。

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