派遣社員と法律!労働者派遣法の改正・3年ルール・抵触日・労働契約法の5年ルール・無期転換まで

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ゆか

法律って1つ1つ覚えないといけないの?

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まっくす

重要なものだけでも押さえておくといいよ

労働者に関連する法律はたくさんあります。

有名なものは労働基準法ですが、派遣社員の場合にはほかにも重要な法律があります。

労働者派遣法と労働契約法の2つです。

同じ職場で働ける期間や派遣社員の権利などについても定められています。

ここでは、この2つの法律を中心に、それに関連して覚えておきたいことを紹介します。

労働者派遣法と歴史

労働者派遣法は派遣社員の権利などを定めた法律です。

派遣社員は雇用形態としても不利になりやすいため、法律で守られています。

時代に合わせて、何度も改正されており、直近では2015年に改正されています。

改正の回数と内容も多いため、重要なものだけをご紹介します。

1996年の改正

  • 対象業務を26業務に拡大

それまで、16業務を対象としていましたが、26業務へと派遣の対象業務が拡大されました。

2012年の改正

  • 日雇い派遣の原則禁止
  • マージン公開の義務化

派遣労働者を守るために、労働環境が悪くなりがちな日雇い派遣は一部の人以外(学生や60歳以上など)は禁止となりました。

また、派遣会社のマージンに関しても公開することで、労働者が不利にならないように配慮されることになりました。

2015年の改正

  • 同じ組織で働けるのは、最長で3年間まで

直近で労働者に影響が大きい改正が上記のものです。

特定の人を更新し続けて、同じ組織内で採用し続けることができなくなりました。

3年間の上限ということで、3年ルールとも呼ばれています。

労働者派遣法改正による3年ルール

抵触日と対応

3年間の上限を過ぎてしまう日を抵触日といいます。

そのまま働き続けることはできないため、なんらかの対応は必要となります。

一般的には以下のような対応となります。

  • 違う派遣先で働く
  • 派遣会社で無期雇用になる
  • 同じ派遣先の別の組織で働く
  • 派遣先の会社で直接雇用される

違う派遣先で働く

もっとも一般的なのは、上限を迎えたので、別の派遣先で働くということです。

そもそも派遣社員は特定の会社と長期に渡って契約をするという仕組みではありません。

その意味でも自然な選択肢です。

派遣会社で無期雇用となる

通常の派遣社員は、有期雇用で期間が定められています。

決められた期間を終えると、必要に応じて更新をすることで働き続けます。

ただ、最近では派遣会社で無期雇用されるという働き方も増えてきています。

派遣会社に所属することで雇用が安定するため、同一の派遣先で3年以上働くことも可能になります。

無期雇用に関しては、注意が必要なので、詳しくは下でも説明します。

派遣先の別組織で働く

同じ組織で働き続けることが問題というだけなので、同じ派遣先の別の組織で働くことも可能です。

あなたの仕事ぶりが認められていれば、この選択肢もあるでしょう。

派遣先に直接雇用される

派遣の中にも、紹介予定派遣のように直接雇用をされるという選択肢はあります。

派遣先企業があなたを評価している場合には、直接採用される可能性もありえます。

3年ルールの抜け道・例外

3年ルールを回避する方法はないわけではありません。

まず、例外として60歳を超えている人は3年ルールの対象となりません。

また、クーリング期間と呼ばれる期間を設けることで、長い期間を働くことも可能です。

クーリング期間

クーリング期間という期間を設けることで、3年間のカウントをリセットすることができます。

具体的には、3ヶ月と1日以上、期間が空いた場合には、カウントが0になります。

ただ、注意が必要なのは、有給などもリセットになりますし、会社がまた採用してくれるかはわかりません。

労働者に対しては、圧倒的に不利なので、おすすめはしません。

労働契約法と5年ルール

もう1つ押さえておきたい法律が労働契約法です。

2013年に改正された内容が重要で、「有期労働契約の人でも5年を超えると、無期転換の申込みができる」というものです。

つまり、派遣社員でも派遣社員でも同じ職場で働き続けている人は、無期の雇用契約に転換することができるということです。

会社側はこれを拒否できませんし、何回も更新されている場合には、契約終了しようとすると、無効とされることもあります。

無期の雇用契約は正社員とは限らない

正規雇用と呼ばれる正社員と非正規雇用と呼ばれる派遣社員、契約社員、アルバイトなどの大きな違いは契約期間です。

正社員は、期間の定めのない労働契約を結んでいて、非正規の場合には有期の契約となっています。

ただ、実際には立場ごとに対応する業務や責任、給与などの待遇も違います。

単純に派遣社員が無期契約になったからといって、正社員になれるとは限りません。

実際には、給料などは変わらず、正社員よりも低い報酬で働き続ける人が多いようです。

このことをしっかりと押さえておきましょう。

雇用は安定するが、自由度は減る

派遣社員に関していうと、雇用が安定するのはメリットです。

多くの場合には、月給制になりますし、いきなりの解雇はなくなります。

一方で、注意が必要なのは、派遣先などは原則として選ぶことができなくなります。

派遣会社はあなたを雇用している間はコストが発生するので、少しでも稼働率を上げることを優先します。

実際、あまりやりたくない仕事や家から遠い仕事に就く人も出てきています。

2018年問題

労働者派遣法と労働契約法の改正の影響が出てくるのが、2018年でした。

そのため、派遣会社が無期雇用や派遣先の変更などの対応が必要になり、2018年問題と呼ばれました。

2018年は終わりましたが、そこまで問題がなかったように思います。

1つは、無期雇用になるにしても申込みが必要で、そこまでルールが労働者に浸透していないことがあると思います。

2つ目に無期雇用になっても雇用の安定以外のメリットがあまりないこと。

3つ目に、派遣会社でも無期雇用を前提とした採用をはじめていて、珍しくなくなってきていることが挙げられると思います。

さらに知っておきたいこと

ここでは、派遣社員として働く人に関連する法律を見てきました。

法律はどうしても勉強するのが面倒だと思いやすいですが、知っておくだけで有利になることも多いです。

派遣会社で無期雇用になるのも1つですが、個人的には正社員をおすすめしています。

もし、いつかのタイミングで正社員になりたいという人はこちらも読んでみてください。

年齢が上がると手遅れになります。

ほかにも、さまざまなキャリアや転職に関するコンテンツがあります。こちらも合わせてどうぞ。

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