派遣社員ってメリットもあるよね?
もちろん、あるけど長期的に困る人もいるから注意が必要だね
派遣社員というのは働き方の1つです。
正社員や契約社員のように、特定の会社と労働契約を結ばずに、派遣元の会社から様々な会社に派遣される働き方です。
派遣社員の働き方にはメリットもありますが、安易に選んでしまうと長期的にキャリアの選択肢が狭まってしまう可能性もあります。
ここでは、派遣社員という働き方のメリット・デメリットとおすすめの考え方までをご紹介します。
目次
派遣社員として働く4つのメリット
1.採用ハードルが低い
派遣社員は、あまり難易度が高くない業務で、人手が足りないときに活用されます。
つまり、採用のハードルはそこまで高くなく、さらに企業側は急ぎで採用したいと考えています。
一般的な新卒採用の面接や中途採用のように2回も3回も面接があり、1ヶ月近くかかるということはありません。
顔合わせという名の面談が1回で、早ければ登録してから数日で働き始められます。
2.仕事の自由度が高い
派遣社員は仕事を選ぶ自由度が高いです。
自分で決められる範囲が広いです。
具体的には業務内容、勤務時間、契約期間、勤務地などを選ぶことができます。
正社員の場合には異動や転勤もありますし、自分のやりたい仕事だけをすることは難しいです。
正社員や契約社員の場合には、フルタイムも多いですが、派遣社員の場合には時短勤務や週3勤務などが条件の求人も十分にあります。
3.職場を柔軟に変えられる
派遣社員は職場を柔軟に変えられます。
契約期間が終われば、スムーズに他の職場に移ることもできます。
職場に関しては、働いてみてはじめてわかることも多いです。
問題のある職場は一定数ありますし、そうした環境で働き続けるのは苦痛です。
また、職場を変えることで特定の職場に依存しない汎用的なスキルを身につけられる可能性もあります。
自分に合わない職場は変えつつ、自分に合った職場を見つけて働くというスタイルも可能です。
4.仕事が難しくない
すべての人が昇進してバリバリ働きたいというわけではありません。
実際、派遣社員を選択する人の大半が、キャリアアップにあまり関心を持っていません。
「自分の経験のある業務を自分に無理のないペースで行いたい」という人にとってはメリットです。
派遣社員として働く3つのデメリット
1.待遇が良くない
派遣社員でも給料を上げる方法はありますが、一般的には待遇が悪くなりがちです。
正規雇用と非正規雇用では格段に給料が違います。
平均で見ると300万円もの差があります。
- 正規社員の平均給与は約487万円
- 非正規社員の平均給与は約172万円
全体 平均給与 |
正規雇用 平均給与 |
非正規雇用 平均給与 |
|
男性 | 5,211 | 5,397 | 2,278 |
女性 | 2,797 | 3,733 | 1,481 |
全体 | 4,126 | 4,869 | 1,721 |
お金があるのとないのでは、選択肢の数も大きく変わってきます。
よほどスキルを上げるようにしないと、給料はずっと上がらないままになるのがリスクです。
2.正社員と社会的な立場が違う
「正規雇用と非正規雇用はあくまでも働き方の違い」と説明されることもありますが、実際にはそれだけではないでしょう。
あなたの人格や仕事とは関係なく、派遣社員だということを気にする人はいます。
これは単純な収入面だけでなく、その人の向上心や世間体などとも結びついています。
結婚で気にする人も多い
顕著に反応として現れるのは結婚のときです。
- 娘の結婚相手が派遣社員で…
- 結婚をしようとしている彼氏が契約社員で…
といった話題は非常によくあります。
本質的に契約社員・派遣社員はその人の魅力とは関係ありませんが、「そんな人は大丈夫なのか」というニュアンスがあります。
3.キャリア形成に困る
派遣社員はキャリア的にも不安定です。
キャリア形成が難しい典型的な理由を以下に紹介します。
- 立場が期間限定でしか保障されていない
- 業務の内容や責任範囲が限定的で、スキルや実績が身につきにくい
- 派遣社員の職歴は評価されにくい
長期的に雇用したいのであれば、正社員を雇用するので、派遣社員は長期勤務を前提としていません。
また、重要業務や非定型業務は社員が行うため、派遣社員に任されるのは難しくなく、誰でもできるような業務になりやすいです。
このような背景から、派遣社員は職歴として厳しく見られやすくなります。
若いうちはいいですが、年齢が上がると働き先を見つけるのに苦労しやすいです。
なぜ正社員がいいのか?
ここまでメリット・デメリットを紹介しました。
一見、一長一短があるようで、「派遣社員も選択肢としてありなのでは」と思っている人もいるかもしれません。
まったくもって違います。
派遣社員のデメリットが非常に大きい
給料の問題
給料の問題1つをとっても非常にデメリットが大きいです。
以下のものは人生でお金がかかる意思決定の一例です。
- 家を買う
- 車を買う
- 海外に住む
- 結婚する
- 子供を育てる
どれも非常によく話題になるものかと思います。
こうした選択をしないのは、あくまで個人の自由だと思いますが、選択ができないとなると問題は別です。
キャリアの問題
20代のときには気が付きにくいかもしれませんが、30代以降になるとキャリアの問題が出てきます。
ポテンシャルが評価されず、経験やスキルも身についていないと転職も難しく、立場が固定されています。
正社員の場合には、ずっと会社にいるという選択肢もありますが、派遣社員の場合には安定して働き続けることも困難です。
20代のときにかかる労力が10だとすると、30代以降で同じことをしようとすると100かかります。
こうした背景から、派遣社員を選ぶときには慎重に考えてほしいと思っています。
派遣社員でもいい人
もちろん、すべての場合で派遣社員を避けるべきだとは思いません。
メリット・デメリットを理解したうえで、選択をするのであればいいでしょう。
また、以下の3つのパターンは典型例です。
- 30代で職歴なし、ブランクが5年といった経歴にハンデがある人
- 週3勤務、時短勤務、勤務地などの制約が厳しい人
- 派遣経由で、正社員を目指す人
1.経歴にハンデがあるパターン
本当に職歴がないまま、年齢が上がると、いきなり正社員は厳しい場合があります。
正確には可能なのですが、給料や労働環境に問題が起きやすく、不人気な職種に限定されてしまいます。
完全なポテンシャルで転職できるのは20代までです。
こうした人は少しでも早く経験を身につけることが大事なので、まずは派遣社員で働くのはありです。
ハードルが高い転職に関しては、年齢別にまとめています。
興味がある方はこちらもどうぞ。
2.制約が厳しい人
制約が厳しい人の場合には、派遣社員の働き方が有効な場合もあります。
典型的なのは、出産後の女性や介護で勤務地が限定されるような場合です。
理想的には正社員として働きつつ、その会社内で融通が効く働き方に変えてもらうことです。
ただ、なかなかうまくいかないことも多いでしょう。
制約が厳しい人は派遣社員の選択肢もありです。
求人の探し方
テンプスタッフ、セントメディアなどの大手の派遣サイトを利用するのが一般的です。
ワーキングマザーの場合には、女性に配慮した求人を扱うママワークスのようなサイトも有効です。
3.派遣をしながら正社員を目指す人
紹介予定派遣のように、正社員を目指すような働き方もあります。
自分がいた部署でも派遣社員からの直接採用の流れは何回も見ました。
大手の派遣サイトに相談するのがおすすめです。
正社員になる方法
上記以外のパターンの人はとりあえず正社員を狙いましょう。
採用されやすいという理由で安易に派遣社員を選択すると、後から修正が難しいです。
このときに肝になるのが、求人の探し方です。
求人探しが大事
よくあるのが、最初は正社員を目指していたものの、書類や面接での不合格が続いて、契約社員・派遣社員で妥協してしまうパターンです。
やる気があるうちに、数ある求人の中から受かりやすそうなものを受けると、内定がもらいやすいです。
ただ、どういった仕事で正社員になりやすいかを把握するのはなかなか難しいです。
あなたの年齢や経歴次第で、内定の出やすい求人は大きく異なるからです。
プロに相談する
そこで、プロに相談するのがポイントです。
せいぜい数回しか転職を経験していない自分で考えるより、毎日求職者をサポートしているプロに聞くほうが成功確率が上がります。
20代の人であれば、適切な求人を選べば正社員にはなりやすいですし、30代以降の場合にはむしろ経験を活かせる仕事を探す必要があります。
相談は無料でリスクはありませんし、その割にはメリットが非常に大きいです。
早めに転職エージェントに相談して、彼らのアドバイスを得るようにしましょう。
彼らはあなたの転職が成功しないと売上にならないので、サポートも期待できます。
また、大手であれば、希望と異なる求人が紹介されにくく、安心して相談できます。
総合型でのおすすめは以下の3社です。
- 求人数が多く、サポートにも強い:doda
- 業界最大級の転職エージェント:リクルートエージェント
- 未経験、経歴に自信がない人もサポート:ワークポート
20代で職歴がないというレベルの人は専門のサービスを利用しましょう。
フリーターのみ、ブランクが長い人でも正社員として働けるようなサービスがあります。
急ぎではないという人は、転職サイトを活用しましょう。
登録をしておくと、会社からのスカウトも来るので、自分がどういう会社に求められているかもわかります。
- 転職者のほとんどが利用する:リクナビNEXT
- 質問に答えて市場価値のわかる:MIIDAS(ミーダス)
さらに知っておきたいこと
ここでは、派遣社員のメリット・デメリットについて見てきました。
なるべく正社員というのは、あくまで個人的な考えなので、選択は自由です。
ただ、メリット・デメリットだけは正しく把握しておきましょう。
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