退職の挨拶は重要ですが、悩ましいものです。
席に行く、メールをする、スピーチをするなどパターンが多いですし、それぞれどうすべきかも少しずつ異なります。
退職に慣れている人もそこまでいないですし、周りの人に聞きにくいというのも厄介なポイントです。
ここでは、そんなわかりづらい退職の挨拶に関してパターンごとに詳しく見ていきます。
なぜ退職の挨拶が重要か?
気持ちよく終わる
自分にとっても、会社に残る人たちにとっても気持ちよく終わることは重要です。
働いていれば、相性がいい人も悪い人もいますが、最後に挨拶さえしておけば、格段に印象はよくなります。
自分も違う業界に移ったり、関連性のない会社に行ったりする場合にも気持ちよく次の環境にいけることは重要でしょう。
せっかく同じ会社で働いた仲間なので挨拶をしておくことが重要です。
その後のつながりがある
とくに、同じ業界であれば退職すると関係性が終わるというわけではありません。
その後も一緒に働いた人たちのつながりがあります。
次の会社で取引先として働くことは少なくありません。
しっかりと挨拶をして、関係性を継続しておくことで、その後の働きやすさに影響します。
あなたの仕事ぶりを見ていた人から取引先を紹介してもらったり、転職をしないかと誘われたりする可能性もあります。
何もいわないで退職する人っているよね。一声かけてくれればいいのに。
意外と次の職場でばったり会ったりするんだよね。
退職の挨拶はパターンが多い
退職の挨拶は以下のように、たくさんあります。
この中でも社内、上司、取引先など種類は多岐に渡ります。
- 退職の挨拶(直接)
- 退職のメール
- 退職のスピーチ
- 退職の電話
- 退職の手紙
ここからはそれぞれについて詳しく見ていきます。
退職挨拶を直接する
もっとも一般的な方法で、相手の席に順番に回っていきます。
- いつ:当日から2~3日前に
- 誰に:偉い人から、お世話になった人に
- どこで:席に行き
- どうやって:軽く話す
タイミングは当日が基本
基本的には退職当日に行われることが多いです。
午後くらいから順番に回っていくといいでしょう。
大企業の場合にはフロアなども違うので多少早めに回っていきましょう。
中小企業・ベンチャー企業の場合には、17時とか遅めの時間でも問題ないです。
回る先が多い場合や、最終日にいないことを知っている場合には数日前に行っておくのもありです。
偉い人からお世話になった人の順番
順番はそこまで意識する必要がありませんが、順番に行くなら立場の高い人からにしましょう。
実際には、偉い人ほど忙しいので、順番は気にしすぎずに時間がありそうなタイミングでするのがいいです。
どこまで挨拶するかですが、自分の場合には少しでもお世話になったというレベルの人はほとんど行きます。
ここは個人差がありますが、いずれ会う可能性は充分あるので、迷うくらいのレベルの人は軽く挨拶しておけばいいかなと思います。
席で軽く話す
相手との関係性次第ですが、最終日の挨拶はさらっとしたものです。
「本日退職します」と伝えて、席では長く話して2~3分程度だと思います。
それでも30人に挨拶すると1時間半はかかります。
送別会などがある場合は、詳しいことをそこで話したり、社内チャットで話したりとさまざまあります。
「次、何するんですか?」というのはだいたい聞かれるので、適当にぼかしてもいいですし、親しい人には伝えてもいいでしょう。
退職スピーチの例文
どの会社でも部署だったり、会社だったりの単位で退職スピーチはあるかと思います。
基本的には一緒で、ちょっとしたエピソードと感謝を伝えるのがポイントです。
また、最後はスピーチが終わったということをわかりやすく伝えましょう。
スピーチの例です。
お疲れ様です。■■です。
お忙しいところお時間をいただき、ありがとうございます。
本日を持ちまして、〇〇株式会社を退職することになりました。
△△年の間、大変お世話になりました。
ここでは、営業から始まり、マネジメント業務やマーケティングなど幅広く、携わることができ、たくさんのことを勉強させていただきました。
プロジェクトなども通すと、かなり多くの人と一緒に働く機会をいただき、サポートしていただき、感謝しています。
今後は、ここでの経験を活かし、引き続き、マーケティングなどに携わっていく予定です。
引き続き、東京にはいますので、お付き合いいただけますと幸いです。
本当にありがとうございました。
スピーチ苦手なんだよね。何を話せばいいかわからなくて。
全体向けはある程度、淡々と話すのでいいんじゃないかな。感謝をしっかり伝えるのが大事だよね。
退職のメール
メールは失礼か?
全員に直接会いに行ければいいですが、実際にはなかなか難しいです。
退職の連絡にメールは非常によく使われます。
遠方で会うのが大変、席に行ったらいなかった、同期や同僚などに一斉に伝えたい問場合には非常に有効です。
メールで連絡するのはまったく問題ありません。
下でテンプレートでもご紹介しますが、「メールで失礼します」といった一文を入れておくのもよくあります。
基本的な形式
- いつ:(社内)最終出社日、(社外)2~3週間前くらいから
- 誰に:お世話になった人、関係者
- どこで:メール
- どうやって:フォーマットに合わせて
社内は当日、社外は早めに
社内向けメールの場合には最終出社日が基本です。
社外の場合には、引き継ぎなどもあるかと思うので、引き継ぎ作業が進んだタイミングが一般的です。
グループなどに一斉に送る
部署のメールなどがある場合も多いかと思うので、一斉送信で問題ありません。
取引先も重要度に応じて、一斉送信や個別送信などを使い分けます。
メールは手間がほとんどかからないので、迷うレベルの人は一通り送るようにしましょう。
基本的な書き方を押さえる
上司や同僚、取引先などで文言などは変わりますが、基本的なフォーマットは変わりません。
・簡単なエピソード、思い出
・感謝
・今後ともよろしく
・結び
具体例を含めてパターン別に見ていきます。
一斉送信のメール例文
同僚や同期などは一斉メールを送るケースが多いです。
その上で、個別にメールをしたり、席に行って挨拶をしたりします。
メールの文例です。
件名:退職のご挨拶
お疲れ様です。〇〇部の△△です。
このたび、一身上の都合で退職することになりまして、ご連絡いたしました。
最終出社日は○月✕日となります。
本来ならば直接ご挨拶に伺うところですが、メールにて失礼いたします。
〇〇部では、アットホームな雰囲気と寛容な先輩方に囲まれて色々と勉強させていただき、感謝しております。
最初は苦労しましたが、営業で成果を上げられるようになったのは皆様のご協力をいただいたからです。
ここでの経験を活かして 、頑張って参りたいと思います。
今後の連絡先はこちらですので、何かありましたらご連絡いただけますと幸いです。
メール: XXX@YYY.com
電話: XXX-XXXX-XXXX
最後になりますが、皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで本当にお世話になりました。
文言はできるだけシンプルに伝わりやすいようにしましょう。
社内の個別メール例文
上司や先輩、親しい同僚などは個別でメールを送るのもいいでしょう。
件名:退職のご挨拶
お疲れ様です。△△です。
このたび、一身上の都合で退職することになり、本日が最終出社日となります。
本来ならば直接ご挨拶に伺うところですが、メールにて失礼いたします。
XXさんには、入部当初からお世話になり、多くのことを学ばせていただきました。
1年目のときに大手クライアントを任せていただき、非常に苦労しましたが、この経験で営業としてもレベルアップすることができました。
非常に感謝しています。
今後の連絡先はこちらですので、何かありましたらご連絡いただけますと幸いです。
メール: XXX@YYY.com
電話: XXX-XXXX-XXXX
最後になりますが、皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで本当にお世話になりました。
基本的にはフォーマットどおりですが、個別のエピソードを入れましょう。
自分は営業だったので、営業先の苦労した話や一緒に同行したときの話などをよく入れていました。
上の文章は堅めですが、関係性によってはもっとフランクな形で書いていました。
個別の連絡って嬉しいよね。自分のために書いてくれた感じがして。
全員には難しくてもお世話になった人には個別で送っておきたいよね。
取引先の個別メール例文
仕事にもよるかと思いますが、取引先への連絡も必要でしょう。
実際にどのような対応をするかは上司などにも確認したほうがいいです。
自分の場合には、重要クライアントには退職すると伝えた上で、引き継ぐのでお伺いさせてくださいという形で電話やメールで連絡していました。
取引先へのメールの一例です。
件名:退職のご挨拶
○○株式会社 △△様
お世話になっております。□□です。
私事で恐縮ですが、このたび一身上の都合で✕月✕日に退職することになりました。
本来ならば直接ご挨拶に伺うところですが、メールにて失礼いたします。
XX様には入社当初から大変お世話になりました。
様々な施策を取り組ませていただき、勉強させていただきました。
後任は同じ部署の△△というものが、務めさせていただきます。
のちほど△△からご連絡させていただきます。
最後になりますが、貴社と△△様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
大きな違いはありませんが、退職日、後任などの情報がしっかり伝わるようにしましょう。
また、仕事上の付き合いなので、自分の連絡先などは書かないのがマナーです。
電話での挨拶例
電話での挨拶も一般的です。
社内の場合には電話するくらいなら行ったほうが早いかもしれませんが、社外向けによく使われます。
基本的に伝える内容はメールのときと同じで構いません。
手紙での退職挨拶の例文
手紙での退職挨拶も可能です。
特別お世話になった方に対しては手紙で送るのも1つです。
以下の例文は横書きですが、縦書きでも問題ありません。
拝啓 時下ますますご清祥のことと存じます。
さて、私事で恐縮ではございますが、○月○日を持ちまして△△株式会社を退職することとなりました。在職中は格別のご指導とご高配をいただき、厚くお例を申し上げます。何卒今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
末筆ながらますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
敬具
平成○年△月
〒100 – 0000
○○県△△市✕✕
退職 太郎
一般的には不要ですし、IT業界などの場合には非常識だと思われる可能性もあるのは注意が必要です。
手紙で来たらびっくりするよね。偉い人だったら嬉しいのかな?
業界とか役職にもよるよね。感謝を伝えるのは喜ばれるだろうけど。
よくある質問
挨拶はいつからすべき?
社外は早め、社内は遅めが基本です。
社外は相手先に迷惑がかからないように、数週間前には引き継ぎ、移行期間として対応しましょう。
社内は、広まっているケースも多いですが、あまりに早く伝えると仕事がしにくいこともあるので、最終出社日が基本です。
とはいっても、引き継ぎなどでだいたい退職をするということは伝わっているかと思います。
会えない人にはどうすべき?
親しい人にはやはり直接会って伝えるのがおすすめです。
親しいのに、会えない場合には、電話や個別メールなどでフォローしましょう。
親しくない人の場合には、一斉メールだけで問題ありません。
どのレベルまで挨拶をする?
迷うレベルの人は挨拶をしておきましょう。
損をすることはないですし、多少広めにしておくのがおすすめです。
お菓子は必要か?
会社の文化にもよるので、周りに合わせましょう。
最終日にお菓子を持ってうろうろしていると退職の挨拶をしている感が出るので、話が早いと思うことはあります。
さらに知っておきたいこと
退職の挨拶は慣れないので、戸惑いがちですが、フォーマットに当てはめて対応すれば大丈夫です。
最後まできっちり挨拶をしておくと印象もだいぶよくなります。
ほかにも退職やキャリアに関する記事があります。こちらもあわせてご覧ください。