ベンチャー企業への就職・転職で失敗しないために押さえる10のこと

ベンチャー企業への転職はミスマッチが起きがちです。

とくに大企業や外資系の企業から来た人は、仕事の仕方が大きく変わります。

自分は今までに大企業でもベンチャー企業でも働きましたが、合う人・合わない人も相当数見ました。

ここでは、失敗を少しでも減らすために最低限知っておいてほしいことを10個のポイントに分けてご紹介します。

1.柔軟性がすべて

1つだけベンチャーで働くうえで重要な資質を挙げるとしたら、それは柔軟性です。

これは変化が激しく、業務の幅も広く、想定外のこともよく起きるベンチャーにおいてもっとも重要な要素です。

  • 自分の業務だけをやりたい
  • 定型的な業務をしたい
  • 同じ業務を続けたい

このような考えを持つ人には厳しいです。入社していたときに想定していない仕事をカバーすることもあるでしょう。

堅い人や自分なりのこだわりがある人は、大変です。

2.先のことは本当にわからない

これは時代的には、大企業でも一緒ですが、ベンチャーはよりその傾向が強いです。

身内以外の人を採用するような規模のベンチャーであれば、来月会社が倒産することは少ないでしょう。

それでもメインの事業が変わったり、事業が撤退したり、部署がなくなったりということは日常的にありえます。

1年後はおろか、3ヶ月後も予想できません。

3.成長はコントロールできない

ベンチャーの方が成長できるというのは、半分本当で半分は嘘です。

たとえば、以前働いていた会社で、労務管理がちゃんとできていなかったため、週の半分程度をバイトの出荷業務を手伝っていたこともあります。

これは成長につながるでしょうか?

ベンチャー企業には大企業のような余裕はありません。事業を継続するために必要なことをなんでもします。

あなたの伸ばしたいスキルや経験に沿って、事業や業務ができるわけではありません。

結果として、能力は伸びるかもしれません。ただ、どの能力かはコントロールするのが難しいです。

4.できることもできないこともたくさんある

ベンチャー企業では裁量が広いといわれることがあります。実際にそうです。

裁量を意図的に広くしているわけではなく、業務に対して人数が足りないので、あらゆることをする必要があります。

このあらゆることは、会社の引っ越し、電球替え、椅子や机の組み立て、掃除などを含みます。

ベンチャーでしかできないことも、大企業でしかできないこともあります。

ベンチャーでしかできないこと

たとえば、ベンチャーでしかできないことは、このようなものです。

  • 事業部の立ち上げ
  • 10名以上の部下ができる
  • 事業戦略からオペレーションまでを担当する
  • 上場企業との事業提携を進める
  • 採用管理、人事制度の構築

すべて入社1年以内に行ったものですが、大企業にいたときには少なくとも入社2~3年では絶対にできないようなことです。

大企業でしかできないこと

一方、大企業でしかできないこともあります。

  • 1年目で年商数十億円の会社の担当
  • MBA取得者、コンサル・商社出身の優秀な人たちからの指導
  • そこそこの給料と無料の社食
  • 入社3年目で半年弱の海外出張

大企業の看板や働く人のレベル、資金力などがあって始めてできるようなこともあります。

成果を出していない状態でも得られる機会は圧倒的に大企業のほうが大きいです。

5.待遇はよくない

大手出身者で必ず問題になるポイントなので触れます。

ベンチャーに関する大きな勘違いの1つは、ベンチャーの待遇はいよくないです。本当に。

あなたがそこそこの大学を出て、それなりの企業で勤めていた場合には、周りもそれなりに稼いでいるでしょう。

現職の年収を2~3割下げても、まだ高すぎるということがよくあります。新卒は最低賃金という会社も珍しくありません。

福利厚生はないです。すくなくともみなさんがイメージするものはないです。

あるのは、誕生日が休暇になったり、恋人の誕生日が休暇になったり、何年か勤めると何日か連続で休めたりする程度のものです。

異常に働いても待遇はよくないという現実を知っておくのが重要です。

ストックオプションの罠

ベンチャーでは、給料が低い代わりにストック・オプションが配られることがあります。将来、株を安く買う権利です。

よく誤解されていますが、一般的な人の転職候補に上がるレベルの規模・知名度のベンチャーではストックオプションのメリットはほとんどありません。

試算

下記のサイトによると、取締役を除いた従業員でのトップ10の持ち株比率の平均が0.34%、中央値が0.185%です。

参考(外部サイト):上場前ベンチャーでストックオプションをもらえば億万長者になれるのか?

これを踏まえて、あなたが通常では考えられない異常な成果を上げて、運良く全体の0.5%程度を保有できたとします。

ここから上場すると、どんなにイケていない会社でも100億円くらいはつきます。これで5,000万円です。

もちろん、倒産したり、会社売却でもらえずに消滅したり(契約による)、ずっと上場できなかったり(一番のリスク)するリスクもあります。

メルカリのような異常値を除くと、あなたが奇跡的な成果を上げて、奇跡的に上場してはじめて5,000万円程度です。

この確率を高めに見積もって10%だとすると、5,000万円×10%=500万円で5年かかるとすると、1年で100万円です。

ちなみに、1つ実例を挙げると上場の3年前に入社したマネージャーの友人が数十万円というレベルです。あまり期待しないようにしましょう。

6.キャリアは自分でコントロールする

大企業にいる場合には、あなたは会社に守られています。それは在職中だけではなく、退職した後もです。

箔がつくということがありますが、同じレベルの仕事をしていた場合には大企業の方が評価がされやすいです。

ベンチャー企業は、創業者や役職者の場合はいいですが、一般社員の場合には注意が必要です。

会社名で評価されることが少なく、転職の際にも、低い年収をベースに交渉されてしまうこともあります。

ベンチャー企業でも成果を出していれば関係がないと思っていましたが、実態を見るとかなり差がありました。

同窓会にて

一度、大企業にいたときの同窓会に出席しました。大企業といっても人によってレベルはさまざまです。

そこで驚いたのが、かなりイマイチだった人でも転職して出世している人がたくさんいたことです。

もちろん、転職後のパフォーマンスを見たわけではありませんので、本当に活躍している人もいるでしょう。

ただ、あきらかに仕事が適当だった人(毎日、外回りでサボっていたような人)も有名企業で部長になっていました。

正直、「これが会社の差か…」と思いました。

大企業出身の場合にはこの人のように、少しランクを落とした会社や近い会社で役職を上げたり、期待値を上げたりして転職できます。

しかも、転職先の会社ではたまたまその人の所属した事業に力を入れている時期でした。

外から見てもわかるくらい、プロモーションや施策をどんどん打っていました。そうすると成果は上がり、その人の評価も上がっていきました。

これは運もありますが、ベンチャー出身の場合にはそもそもこのスタートラインに立つのが厳しいです。

前よりもベンチャーから大企業には行きやすくなりましたが、やはりランクが上がる感じになり、この人のようなポジションや期待値が獲得できません。

ベンチャーを選択する人は、自分で圧倒的なスキル・経験を身につけて自分なりにキャリアを切り拓く必要があります。

7.すべては会社次第

ベンチャー企業とひとまとめにして語られますが、会社によってまったく異なります。

今まで見てきたような要素は、多かれ少なかれほとんどの会社に当てはまるようなことですが、会社によってもかなり異なります。

大企業の場合には、多くの人が働くこともあり、仕組みも制度も整備されていき、その過程で各社で共通する要素も多くなります。

退職金や定期異動、決算発表、人事制度、新卒採用などはあるでしょう。

これがベンチャーの場合には、各社が独自路線です。

会社によってまったく制度も文化も違うので、1つ1つの会社を見ないと「こんなはずじゃなかった」ということになりかねません。

そこで、ここから会社の見方について、いくつか見ていきます。

8.社長を知っておく

ベンチャー企業は社長のカラーが非常によく出ます。

とくに、設立数年の会社ではほとんど社長がすべてです。会社の成功も社内の文化も社長の影響が色濃く出ます。

ベンチャー企業を理解するにあたっては社長を理解することが非常に重要です。

どういう経歴で、どういう考え方をする人で、どういう働きをしているのかを知ることが大事です。

社長は癖が強い人も多いので、会社のナンバー2のポジションやマネージャー層で入社する人はなおさら要注意です。

社長との折り合いが悪くて、退職するパターンはどこの会社でも非常によく目にします。

9.現場の社員や雰囲気を知っておく

重要なのは社長だけではなく、どのような人が働いているかです。

社長がよくない場合には論外ですが、現場の社員も重要です。社長や経営陣は優秀だけれども現場はイマイチということもあります。

もしかすると、仕組みは経営陣で作り、現場はひたすらいわれたことだけをやるタイプの会社なのかもしれません。

    実際に内定をもらったり、入社を検討するときには、複数の社員と話したり、体験入社をさせてもらったりするのも有効です。

    10.第三者情報でも検証する

    最後に、自分以外の人にも見てもらいましょう。

    ベンチャーはそもそも万人向けの選択肢ではないので、自分との相性がもっとも重要です。それでも会社の評判はしっかり確認しておきましょう。

    知り合いに聞く

    たまたま近い知り合いでベンチャーで働いている人がいたらその人に話を聞きましょう。

    他社のことは、実態まではなかなかわかりませんが、いい評判・悪い評判くらいはわかります。

    口コミサイトで調べる

    以前は情報を探すのは大変でしたが、今は数十名規模のベンチャーでもオンラインで情報が入ることがあります。

    口コミサイトは見るようにしましょう。ベンチャーの場合には、載っていても母数が少ないことも多いです。

    ここだけに頼るのは危険なので、他の方法とあわせて活用しましょう。

    おすすめ口コミサイト

    転職エージェントで調べる

    ある程度の規模になったり、資金調達をしていたりする会社は転職エージェントも活用しています。

    自分がベンチャーに入社したときにも、実は転職エージェント経由でした。

    というのも、自分が自力で探したベンチャーにちょっと問題があったため、数ヶ月で退職してしまったからです。

    その後に、自分だけの力では心配なので、転職エージェントで相談させてもらい、その中で縁があった会社に入社しました。

    やはりメリットとしては、大手エージェントであれば、あまり変な会社は扱われないのと、ネガティブな情報もちゃんと伝えてくれることです。

    エージェントも大手の場合には、無理やり転職させて評判が下がるほうがダメージが多いですし、クライアント担当と求職者担当が別れていることがほとんどのため、求職者担当は味方をしてくれます。

    自分の目で確かめるのも重要ですが、(自分のように失敗しないためにも)第三者の目でチェックしてもらえるとなお安心です。

    いくつか紹介しますので、何社か登録してみて気の合うエージェントを探しましょう。

    さらに知っておきたいこと

    ややネガティブなことも書きましたが、ここに書かれているようなことを認識した上で転職をするとミスマッチがだいぶ避けられるかと思います。

    人は、自分の知らないことに関しては、楽観的になったり、都合よく解釈してしまうところがあります。

    正しい知識をもとに、よりよいキャリアを選択できるようにしましょう。

    他にもベンチャー企業やキャリアに関して書いていますので、こちらもぜひどうぞ。

    「スタートアップ・ベンチャー企業」に関する記事を見る

    「キャリアの考え方」に関する記事を見る

    3 thoughts on “ベンチャー企業への就職・転職で失敗しないために押さえる10のこと

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