ベンチャー企業とは?意味・定義から企業一覧・ランキングの活用、働き方まで

メディアやニュースで「ベンチャー企業」という言葉は聞いたことがある人も多いかと思います。

なんとなく新しく創業された会社や成長している会社のイメージがあると思います。では、具体的にはどのような会社を指すのでしょうか。

ここでは、ベンチャー企業という言葉の意味から実際にどのような会社を指すのか、どのような特徴でどのような働き方なのかといったことまで見ていきます。

ベンチャー企業とは?意味と定義

Ventureとは、冒険的事業、投機的企業などを意味します。

英語では冒険的な意味合いがあるだけで、日本語のベンチャー企業的な意味はありません。

もともとは、リスクが高かったり、革新的だったり、成功確率は高くないものの、成功すると大きなインパクトのある事業を行う企業を指します。

実態としては、創業されて10年くらいまでの比較的新しい会社がベンチャー企業と呼ばれます。

そうした企業は、結果が出るまでに先行投資がかかったり、失敗するものが多かったりするため、投資を受けるケースが多いです。

こうした会社をベンチャーキャピタルといいます。下で詳しく説明します。

中小企業とはどう違うのか?

中小企業は、資本金や従業員数によって法的に定められるものです。

ベンチャー企業はそのような資本金や従業員数による定義はないので、中小企業も含まれます。

最近では、ベンチャー企業でも数億~数十億までの資金調達が非常に増えたので、法的には大企業となるベンチャー企業も多数あります。

一般的に使う際には、

  • 新しく創業されて数年程度で、成長している会社がベンチャー企業
  • 設立年数が長かったり、成長が落ち着いている会社が中小企業

という理解で大丈夫です。

中古で商品を買い取り、それを販売するのが中小企業、メルカリのようにあらゆる人が中古のものを売り買いできるのはベンチャー企業的です。

スタートアップとどう違うのか?

ベンチャー企業に近い言葉にスタートアップというものがあります。

英語では、このstart-upという言葉が新しく創業された会社に使われます。

スタートアップという言葉もベンチャー企業と同様に、規模や資本金による定義はありません。

スタートアップの場合には急成長する会社や組織を指します。

実際の使われ方としては、このようなものです。

  • 単純にベンチャー企業の言い換え(ジーパンとデニムのような)
  • 急成長する、急成長を目指すベンチャー企業
  • 創業された会社の中でも、投資を受けながら会社の売却や上場を目指すもの

厳密に使い分けをしている人をあまり見ないので、ほとんど同じ意味だと考えてもさしつかえはないでしょう。

ベンチャーキャピタルとは?

ベンチャー企業に投資をするファンドのことです。

彼らは、企業や個人からお金を預かって、それを増やす仕事をしています。

その増やす方法としてベンチャー企業に投資をしています。

具体的には、以下のような形で増えていきます。

  • 1,000万円を投資して、1億円の価値(時価総額)の株式会社の10%分の株式をもらう
  • この1億円の価値の会社が、どんどん成長していき、会社を売却したり、上場したりする
  • そのときの価値が50億円だとすると、10%を持っているので、5億円になる
  • 1,000万円の投資が50倍の5億円に増えた

実際には、持ち分の10%は資金調達のたびに減っていきますし、契約によってもいろいろと条件が変わりますが、単純化するとこのような流れです。

早い段階の方が企業の価値も低いですが、リスクも大きいです。後半になると、どんどん企業価値が上がりますが、リスクは低くなります。

ベンチャーキャピタルによって、早い段階で投資をするところや後半になってから投資するところなどはさまざまです。

メガベンチャー

比較的最近の言葉ですが、すでに上場していたり、規模もかなり大きくなったりした会社もメガベンチャーと呼ばれることがあります。

サイバーエージェント、DeNA、GREEなどが具体例です。

サイバーエージェントやDeNAに至っては、すでに設立から20年ほど経っているので、個人的には違和感がすごいのですが、ブランディングの一環としても使われているようです。

大企業病という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、縦割りになったり、新しいチャレンジがしにくくなったり、形式的な業務や社内プロセスが増えたりすることです。

メガベンチャーと自称したり、呼ばれたりする会社は、設立から時間が経っていてもこのような大企業病に陥らずに、新しい革新的なことにチャレンジできるということを伝えたいわけです。

この定義だとリクルートもいわゆるメガベンチャーにかなり近そうですが、大きすぎるせいかそのように呼ばれることはありません。

ベンチャー企業の一覧やランキングの見方

日本にある企業数が、個人事業主も入れると400万社以上、法人のみでも170万社程度といわれています。

そして毎年、10万社近くが新しく生まれています。ベンチャー関連のメディアはいくつかありますが、そこでもほとんどカバーできていません。

下に一般的なものも紹介しますが、前提としてこのような膨大な会社すべてをカバーすることはほとんど無理だと認識しましょう。

一般的な一覧やランキング

デロイトの出しているランキングが一般的なイケている会社の感覚に近いように思います。

個人的におすすめの調べ方

恣意的に作られたランキングよりもいいソースがいくつかあるので、そちらを紹介します。

スタートアップ系メディア

自分はよくBRIDGEの方を見ます。

Twitter

ここらへんの人をフォローしつつ、気になる人を追加していくとベンチャー・スタートアップ情報満載のタイムラインになります。

サービス

Voicyというアプリが非常におすすめです。オンラインのラジオのようなものです。

ここのKさんという人がやっている、ベンチャーニュースで言いたい放題がベンチャーリテラシーを上げるのには相当有効だと思います。

ベンチャーで働くということ

ベンチャーで働くことがどういうことかも簡単に見ていきます。

1.なんでもやるということ

ベンチャー企業では本当になんでもやります。

自分の場合には、壁のペンキ塗りや引っ越しの荷物運び、電球の交換などもやりました。

1人が、2~3個のポジションを掛け持ちでやることはざらです。10人くらいまでであれば、ほとんど全員が担当業務の責任者です。

やったことがない業務でも必死に勉強しながらやります。

2.変化が大きい

先月やっていたことと、今月やることが違うことはよくあります。それが週単位・日単位ということもあります。

初期の段階だと、事業が変わったり、業務が完全に変わったり変化の速さも量も桁違いです。

ドラゴンボールを知っている人であれば、「精神と時の部屋」(部屋の中では1年でも外界では1日しか経過しない部屋)に入っている感覚にも近いです。

3.待遇が厳しい

残念ながら、あなたが相当上のポジションで入社しても、待遇はよくありません。

大企業で働いている人は、今の2~3割下げても高すぎます。一般社員ではせいぜい300~400万円くらいです。

福利厚生というのは大企業のための言葉です。あっても、会社オリジナルの誕生日の休暇や申し訳程度のボーナスです。

ここの認識が間違っていると、入社前や入社後に大変苦労します。

4.がむしゃらに働く

猛烈に働きたい人には非常に向いています。

ちゃんと成長している会社であれば、確実に業務量に対して人が少ないです。下手したら大企業の2倍以上働くこともありえます。

仕事にすべてをかけて、早い段階で能力を身につける、昇進するという人の場合には、選択肢として悪くないでしょう。

ベンチャーに興味がある人

ここまで読んできてベンチャーに興味がある人は、ぜひベンチャーでのキャリアも考えてみてください。

働きたいという人への注意

実際に働きたいという人は、ミスマッチを避けるためにもいくつか注意しておいてほしいことがあります。

  • 知名度が高いからといって、あなたが働くのにいい会社とは限らない
  • 多額の資金調達をしているからといって、いい会社とは限らない
  • 友人の会社、共同経営は相当の覚悟や仕組み(契約)がないともめがち
  • 可能ならインターンや休日に手伝うなどで、自分にマッチするか小さく試しておく
  • 少なくとも、従業員と話したり、フロアの雰囲気を見たりする
  • 社長に何かしらの違和感を感じたら避けた方がいい
  • ストックオプションをもらえるという言葉は宝くじ程度に受け止める

だいぶ書きましたが、いいベンチャー(会社として、働く従業員として、あなたにとって)探しは難しいです。

ポイントとしてはちゃんと自分の目で確かめることです。

以前、働いていた会社でも入社希望者に1日体験入社の対応をしたこともあります。

採用に力を入れている会社であれば、こうした対応もしてくれるので、できる限り、業務や働く人のことを知りましょう。

ベンチャーの人に話を聞く

友人、同僚、先輩、知り合いなどにベンチャーで働いている人がいたらその人に話を聞いてみましょう。

知り合いがいないという人は、ベンチャー系のイベントがたくさんあるので、そうしたものに行ってみましょう。

大きめの会社であれば、採用イベントをかねていろいろとイベントを開いてみます。そういう場所に顔を出して話を聞いてみましょう。

転職サービスで求人を探す

転職サイト

ベンチャーといえば、Wantedlyが有名ですね。求人数は多いです。

デメリットとしては、勤務条件や待遇などの重要性の高い情報がわからないことです。

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ベンチャーに限らず見ていきたい場合にはリクナビNEXTがいいです。求人数が圧倒的で、登録して損はありません。

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今の年収が600万円以上の人はビズリーチもおすすめです。レジュメを登録しておくと、スカウトが来ます。

ベンチャー求人も多く、経営層に近いものも紹介されます。

今、大企業に勤めているような人はまず登録しておきたいです。自分もずっと登録してたまにのぞいています。

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転職エージェント

ある程度の規模になったり、資金調達をしたりしている会社は転職エージェントも活用しています。

自分が転職したときも自力で探したベンチャーにちょっと問題があったため、別企業に転職エージェント経由で入社しました。

メリットとしては、大手エージェントであれば、あまり変な会社は扱われないのと、ネガティブな情報もちゃんと伝えてくれることです。

とくに、ベンチャー企業にはじめて入社するような人はギャップが大きくなりやすいので、実態をヒアリングするにも有効です。

さらに知っておきたいこと

ここでは、ベンチャー企業の定義から特徴や働き方まで見てきました。

ベンチャー企業は特殊な環境なので、合う・合わないが人によってあります。

自分なりに調べたり、働いている人に話を聞いたり、土日に働かせてもらったりしてみましょう。

他にもベンチャー企業やキャリアに関して書いています。こちらもぜひどうぞ。

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