キャリアアップという言葉は耳にしたことはあるかと思います。
「転職してキャリアアップしたい」というような使われ方をします。
曖昧な言葉なので、なんとなくキャリアに対していいことがあると使われがちです。
ここでは、キャリアップの意味から、ほかの言葉との違い、キャリアアップを実現する方法までを幅広く見ていきます。
目次
キャリアアップとは?
キャリアアップは、キャリア(生涯、経歴)をアップする(上げる)という和製英語です。
なんとなくイメージはつくかもしれませんが、具体的には、
- 転職によって昇給・昇進・裁量が大きくなること
- 社内で昇給・昇進・仕事の幅が広がること
などを指します。社内よりも転職の文脈で使われることが多いです。
自分の仕事の幅が広がったり、裁量が大きくなったりすることで、ほとんどの場合に昇進や昇給を伴います。
フリーランスになったり、起業したりするのは単純に独立というので、あまりキャリアアップとは言われません。
ゲームをやったことがある人であれば、仕事上のレベルアップのようなものです。
スキルアップ、キャリアチェンジとの違い
混同しやすい3つの要素を図で表しました。
キャリアアップはあくまで同じ職務領域のもので、給料や業務範囲が上がるものを指します。営業の平社員から営業課長になるのはキャリアアップです。
対して、職種が大きく変わるようなものはキャリアチェンジといいます。営業から経理やエンジニアに移るのは、キャリアチェンジとなります。
スキルアップは職種関係なく、スキルを向上させるものを指します。簿記を勉強するのもプログラミングを勉強するのもスキルアップです。
社内でのキャリアアップの方法
最初に見たように転職と社内でのキャリアアップがあります。社内のほうがシンプルなので、まず社内から見ていきます。
社内の場合には、会社の特徴を把握しておくことがポイントです。
ベンチャー企業の注意
ベンチャー企業の場合には、仕組みが少ないため、露骨に成果に差が出るため、実力順に昇進・昇給が決まりやすいです。
大企業の注意
一方、大企業の場合には、もっと複雑です。成果を出せば大丈夫だと思っている人は、半分あたっていますが、半分ずれています。
大企業は仕組みが優秀なので、実は差がつきにくいです。もちろん、トップとビリでは大きな差がつきます。
ただ、80点以上、90点以上みたいなボーダーでいうと、たくさんいます。加えて、社員のレベルも違います。
ここで圧倒的な成果を出すのは難しいため、成果のほかに、上司やマネージャー、部長などの意思決定者に好かれているか、関係構築ができているかといったことが、露骨に影響します。
80点以上を取っている人であれば、推薦はいくらでもできます。仲のいい80点の人と知らない90点の人がいたら、前者を推すのが自然です。
企業の特徴を押さえる
- 企業の意思決定の特徴を知ってそこを押さえる
- 成果を出す
この2点をどの会社でも知っておくことが大事です。
ベンチャーであっても違いはあります。ある会社では、若手でもどんどん管理職になったり、ある会社では慎重に進めたりします。
また、ある会社では中途でどんどん上のポジションを入れますが、別の会社では内部の人を優先するところもあります。
ここは能力だと思われがちですが、自分の見ている範囲だけでも転職したり、部署を移動したりして活躍する人も多いです。
ある環境で活躍できなかったからといって別の環境で活躍できないとは限りません。本当に。
転職についても見ていきます。
転職でのキャリアアップの方法
社内での可能性を検討して難しそうであれば、転職はありです。
会社によって待遇が決まる
自分はこのことに気づくまでだいぶ時間がかかりました。
自分が新卒で入った会社で、相当働いてそれまで部署でなかったような営業成績を上げました。そのときの昇給が2千円でした。
また、転職して入ったベンチャーでは、結果を出していくうちに昇進はしましたが、昇給はほとんどありませんでした。
20代のうちはあまり給料は気にしないで、スキルや経験を得たいと考えていましたが、実際にその立場に置かれるとなんとも言えない気持ちになります。
会社の給与水準や昇給は本当にその会社によって違います。
成果を上げることは大事ですが、まったく同じ実力や成果を上げても会社によって大きく差が出るということを認識しておきましょう。
合う会社を1社だけ見つければいい
ここで、気になってくるのがいい会社に入るハードルだと思います。
GoogleやFacebookに入るのが難しいことは想像がつくでしょう。ポイントは1社だけでいいということです。
現実問題として、あなたの経歴次第で選択肢の幅が変わります。勤めてきた会社やそこでの業務内容、年齢や在職期間によります。
10社選ぶのであれば厳しいかも知れませんが、1社だけであれば掘り出しものを見つければ大丈夫です。
会社選びに注力する
自分の業務範囲を広げる場合にも昇給する場合にも会社選びが重要です。
一般的な会社の探し方というと、
- 転職サイトに登録したり、
- 聞いたことがある会社を調べたり
するイメージがあるかもしれません。
これが悪いわけではありませんが、有名な企業がベストとは限らないですし、転職サイトではクライアント発信の都合のいい情報もどうしても多くなります。
そこで、ここでは2つほど必ず活用したいサービスをご紹介します。
1.口コミサイトで探す
1つ目は口コミサイトです。すでに使っているという方もいるかもしれません。
ここ数年で口コミサイトは劇的に進化しました。口コミ数も増えて、あらゆる企業を網羅していますし、その結果としてあらゆる情報の精度が上がりました。
どのサイトでも働いていた人の生の声が載っています。口コミによる評価のランキングなどもありますし、情報は充実しています。
転職サイトなどで調べた会社の評判を確かめるのにも役立ちますし、ここで調べたうえで、直接応募したり、転職サイトに探しに行くような方法もありです。
会社によっては、口コミが少なかったり、明らかに関係者が書いたようなサクラに近いものもあります。(逆に怪しい会社がわかりますが)
注意も必要ですが、このワンステップでリスクは大きく回避できます。
とくに、口コミサイトごとに違いはあまりないので、どれでもいいでしょう。口コミを投稿すると、どれも無料で使えます。
2.転職エージェントに相談する
求人探しに関しては、転職エージェントも必須です。上で見たようにどのキャリアを選ぶにしろ、会社選びは重要です。
あなたが無限に時間を使えるのであれば、1つ1つ口コミをチェックしてもいいかも知れませんが、現実には難しいでしょう。
ここは、転職のプロに頼りましょう。彼らはあなたの要望に合った求人を紹介してくれたり、あなたの内定可能性が高そうな求人にも詳しいです。
ほかにもこのような多くのメリットがあります。
- 転職の進め方のアドバイスがもらえる
- 自分の市場価値・アピールポイントがわかる
- 該当業界・業種の求人状況がわかる
- 自分の希望に合った求人を代わりに探してくれる
- 行きたい会社に内定する可能性がわかる
- 応募したい会社の評判がわかる
- 書類や面接の対策方法がわかる
僕は3回転職していますが、そのすべてで転職エージェントに相談しています。
というのも、自分で探した会社に入社したところ、想像と違うことがさまざまあって、数ヶ月で離職してしまいました。
評判や実態をちゃんと確認しなかった自分も悪かったですが、そもそも人のアドバイスをもらわずに進めることのリスクを強く感じました。
そもそも転職は多い人でも数回程度で、慣れている人も少ないですし、アドバイスを受けられることもあまりないでしょう。
あなたはいい会社の見分け方がわかりますか? 自分に合った会社がどれかわかるでしょうか?
彼らは毎日のようにいろいろなタイプの人と面談し、多くの人の転職活動をサポートしています。
転職サイトや口コミサイトを活用するのも重要ですが、そこではあなたの転職活動に対するアドバイスはもらえません。
転職を少しでも考える場合には、まず転職エージェントに相談しましょう。
転職エージェントごとのカラーがありますし、なによりも担当者との相性があります。複数の会社に登録して面談したうえで、自分に合った人とやり取りをするのが大事です。
転職サイトも並行して活用しましょう。求人数が多い大手がおすすめです。口コミを調べながら活用しましょう。
キャリアアップに資格はいるのか?
諸説ありますが、個人的にはいらないと思っています。
経理に転職するために簿記、海外営業のためにTOEICなど明確な目的があればいいですが、なんとなく資格を取った方がいいと思って取る資格は意味がありません。
例外は、その業務につくのにそもそも必要な弁護士、公認会計士などのものや仕事との結びつきが強い宅建や介護福祉士などです。
「キャリアアップのために資格を取りましょう」といっているのはだいたい資格の予備校なので、注意しましょう。
タイプ別のキャリアアップ
いくつかタイプごとに気をつけたいキャリアアップに関して取り上げます。
職種ごとのキャリアアップ
派遣社員・事務職
派遣社員や事務職のキャリアアップに関しては、悩ましい部分があります。
どちらも不安定で、とくに女性で出産などを経て再就職しようとする場合に苦労します。
解決方法は、スキルや専門性を高めることです。たとえば、
- Excelを極めてExcelに関するあらゆる相談が自分に来るようにする(僕はこれをやってました)
- 簿記をとって仕分けを覚えて経理の仕事ができるようにする
- HTMLやCSSを勉強して、簡単なコーディングをできるようにする
など自分にできそうなものを探しましょう。
もう1つおすすめなのは、ベンチャー企業で働くことです。
いろいろな会社があるのでピンキリなのですが、正社員で入りやすかったり、業務範囲が広がりやすかったりとキャリアアップ・スキルアップにつながりやすいです。
駐在妻
海外にいると、平日の昼のスタバなどでよく目にします。(インドネシアでもたくさん)
海外の場合には、労働のためのビザの取得ハードルが高かったり、給料が低かったりと悩ましいです。
加えて、日本企業の場合にはブランクを嫌うので、日本に戻ったときにも前よりも厳しくなることは多いでしょう。
中にはバリバリと働いていた人もいるので、言語を覚えたり、趣味を始めたりしますが、だいたい飽きます。
個人的なおすすめは、CasterBizやフジ子さんといったオンラインアシスタント業務やランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングで働く方法です。
また、自分でブログを書くのもちゃんとやれば、Webマーケティング、開発、ライティングなどの知識がつくのでいいでしょう。
- サーバー周りの知識
- 基礎的なコーディング
- ライティング
- SEO
- WordPressの使い方
- Web解析ツール(Google AnalyticsやSearch Consoleなど)
営業
営業のキャリアは別記事でがっつり書いているので、こちらもぜひどうぞ。
参考:営業職で年収・給料を上げる3つの方法と営業のキャリアパスの注意点
年齢別のキャリアアップ
20代、30代
転職は、統計的に20代後半から30代前半にする人が多いです。
キャリアチェンジの場合には、年齢が早いほうがいいですが、キャリアアップは高く売れるタイミングも大事です。
しっかりアピールできる実績や専門性をこのタイミングまでに作っておきましょう。
40代以降~
40代以降はマッチングが難しくなります。そのまま会社にいる選択肢を残しつつ、長めの時間軸で考えることが大事です。
転職サイトやエージェントからの反応も悪くなってきますので、ミドル専門のサイト・エージェントや知っている人経由など、求人の探し方を工夫しましょう。
さらに知っておきたいこと
ほかにもキャリアや転職について書いた記事がありますので、合わせてどうぞ。
“キャリアアップとは?転職・資格の活用法からスキルアップとの違いも” への1件のフィードバック