ほとんどの採用面接では、最後に何か質問はありますかと聞かれます。これを逆質問といいます。
面接中に行われるものですので、もちろん選考に関係します。
基本的に逆質問は面接の最後に行われることがほとんどですが、正直、この段階ではほとんど結果は決まっています。
ただ、ボーダーライン上であったり、非常によい質問を連発したりして、ここからの挽回が不可能というわけではありません。
今回はそんな逆質問に関して、ポイントや実例を見ながら攻略方法をご説明します。
逆質問で何を見たいのか?
選考に逆質問が含まれているということは、逆質問で企業側が見たいものがあるということです。
おもにこれらのものが考えられます。それぞれ簡単に見ていきます。
- 応募者の意欲を知りたい
- 応募者の関心を知りたい
- 地頭を知りたい
- アピールタイム
応募者の意欲を知りたい
応募者の意欲を測る上で逆質問は有効です。
面接の場で、「弊社の志望度は高いですか?」、「弊社は第一志望ですか?」と聞くのはあまりにも愚かです。
「いいえ、低いです。第4志望です」と答えるわけがないですよね。
ここは応募者の質問で判断するほうが簡単です。あなたは下記の2人のどちらを採用したいですか?
- ボーナスは年何回ですか?
- 休日出勤はあるのでしょうか?
- 御社の決算報告で新規事業の○○を拝見しました。こうした新規事業にはどのような方が携わっているのでしょうか。
- 御社で活躍している人はどのような思考や性格の方が多いのでしょうか。
Aさんは素直かもしれませんが、応募意欲が高いかはこのやり取りではわからないです。
対するBさんは、自分がどうすれば新規事業に携われるのか、どのようにすれば活躍できるかを入社した前提で聞いています。
このように、どの程度準備しているのか、どれくらい本気で入社したいと思っているかは大きく差が付きます。
応募者の関心を知りたい
先ほどの例ですと、Aさんは給料や働き方に関して、Bさんは新規事業や成果に関して興味があることがわかります。
ほかにも、会社にある部署交流の質問をする人は、職場での関係性を気にする、ビジネスに関して質問をする人は会社の事業や利益に興味があることがわかります。
会社によって、カラーがあるので、それに合った人を採用するためにも、応募者の人の興味・関心と自社の雰囲気が合うかを知りたいわけです。
地頭を知りたい
質問のレベルでその人がどのような考え方をするのか、どれくらい深く考えられるかがわかります。
面接での逆質問は好ましくない質問はあるものの、正解があるものではありません。
相手の会社や自分が与えたい印象によっても質問は変わるでしょう。この質問の選び方で相手の思考のセンスを見ることもできます。
アピールタイム
「最後に伝えたいことはありますか。ほかに伝えたいことはありますか」と同じように、アピールチャンスを与える目的もあります。
面接の中でうまく伝えきれなかった情報で、ぜひ伝えたいことを改めて確認するというわけです。
【よくない】NG質問集
悪い質問のパターンはわかりやすいので、まずそういったものを見ていきます。
質問はありません
念のために再確認しますが、質問がないことは最悪です。
やる気を疑われますし、入社したい会社に何も質問・確認したいことはほとんど無いかと思います。
友人がその会社で働いていて、すでにおおよそのことがわかっている場合でさえ、何か質問をしましょう。
その場で思いついたものを質問するのもいいですが、あらかじめ準備しておくのも重要です。
調べればすぐわかるもの
- 御社の事業は何ですか?
- 御社の経営理念はなんでしょうか?
- 従業員は何人いますか?
調べればわかるようなことを質問するのは、意欲も能力も疑われてしまいます。
聞くとしたら、「事業はA・B・Cの3つを拝見しましたが、メインはAなのでしょうか。」だったり、「多くの方はBの事業に携わっているのでしょうか」などと調べたものを確認するような聞き方にしましょう。
上場企業は、採用サイトやIR情報で提供していますが、ベンチャーは従業員数を公開していなかったりするので、そういったものは聞いても問題ありません。
消極的な印象を与える質問
- ノルマはあるのでしょうか?
- 研修制度は充実していますか?
- 有給は自由に取れますか?
- 残業は平均でどのくらいですか?
- 福利厚生はどうなっていますか?
- 育児休暇は取れますか?
こういった質問は、内容を本当に聞きたいとしても聞き方に注意をしたほうがいいです。
たとえば、ノルマに関しては、「御社では営業でどのように目標管理をしているのでしょうか?商品ごとの目標などもありますか」などと聞きます。
育休であれば、「女性が働きやすい環境ですか?」という曖昧な聞き方でなく、「今まで何人が育休を取りましたか」などと具体的に聞きましょう。
このカテゴリーのものは他のことを質問してから聞いたり、ほかのものと混ぜて、待遇ばかり聞いていない印象にするのも重要です。
答えづらい質問
- 中途採用者でも活躍できますか?
- 女性でも活躍できますか?
- 給料は上がりやすいですか?
- 働いている人は親切ですか?
逆の立場で考えればわかりますが、こうした質問はYESと答えるほかありません。
「中途採用ではどういう人が活躍していますか?」、「人事評価制度はどのようなシステム・プロセスで運用されていますか」などと具体的に聞きましょう。
専門性の高い質問
- 海外子会社の減損ですが、どうして今期のタイミングで計上となったのでしょうか?
- システムの技術的な負債に対してどのように対応していますか?
- M&Aのバリュエーションはどのように計算されているのでしょうか?
相手がその事業や職種の人であれば大丈夫ですが、CTOやCFOでなければわからない質問を人事や事業部の人に質問するのはやめましょう。
あなたが優秀だと思われるよりもコミュニケーション能力が疑われてしまいます。
アピールしすぎる
- 私は海外経験があるので、御社の海外事業には貢献できると思います。どのように思いますか?
- 私は前職で営業ノルマを達成し続け、MVPを3度獲得しました。そのために、自分なりに改善を続け、成功しているパターンを分析しました。御社の営業では、どのようなアプローチを取られていますか?
たまにいるのですが、質問の形式を取ったアピールが強すぎるのも気になります。
もちろん、アピールチャンスではあるので、自分のPRが多少入ってしまうことは問題ありません。ただ、質問なしでも成り立ってしまうようなアピールはやりすぎです。
【よい】質問集
ここから目的別によい質問の例をご紹介します。思いつかないときはここのものを参考にしてみてください。
意欲をアピールしたい人の質問
- 御社ではどのようなスキルを持っている方が成果を出しているのでしょうか?入社までにできることは何がありますか?
- 御社でマネジメントのポジションにつく方はどのようなプロセスで評価・昇進をされているのでしょうか?
- 御社で中途採用で入社し、3年程度で結果を出した方にはどのような人がいますか?
会社への関心をアピールしたい人の質問
- 御社での1日のスケジュールはどのようになっているのでしょうか。
- ○○という部署では、どのような経歴や性格の人たちが働かれていますか。
- △△部はどのような雰囲気なのでしょうか。
協調性・社交性をアピールしたい人の質問
- 御社では他部門との交流はどれくらいあるのでしょうか?
- 御社では会社全体でランチ・飲み会などはありますか?
- 御社の役員や取締役はどのようなキャラクターの方々ですか?
ビジネスセンスをアピール
- 御社の○○というビジネスは△△という要素が重要かと思いますが、現状はどのようにそこを担保・差別化されているのでしょうか?
- 御社の事業の周辺領域に、✕✕などがありますが、M&Aなどの選択肢はあるのでしょうか?
面接段階別の逆質問
面接者によって、視点が違うので、面接者によって質問を変えられるとさらにいいです。
ここでは、1次面接(人事)、2次面接(事業部)、役員・最終面接に分けて見ていきます。
1次面接(人事)での逆質問
ある程度の規模の企業では1次面接は人事が行います。
あなたのスキルももちろんですが、そもそもあなたと会社が合うかということがメインでチェックされます。
したがって、ここでは会社全体に関わることを聞きましょう。
- 会社の雰囲気はどうか?
- 活躍している人はどんな人か?
- 会社の役員や社長はどんな人か?
- 人事制度はどうなっているのか?
- 待遇はどうなるのか?
2次面接(事業部)での逆質問
2次面接は多くの場合、自分の上司になる人や事業部の部長などが対応します。
ここでは、より現場よりのことを聞きましょう。
- どういう人が活躍しているか
- 1日のスケジュールはどうなるのか
- 部署はどのような雰囲気か
- どのような役割の人たちがいるのか
- 今の課題は何か
- 今後の事業展開はどうか
役員面接・最終面接での逆質問
会社の規模にもよりますが、最後の面接はいわゆる役員・取締役・社長などのマネジメントの役職の人が対応します。
こうした人たちは会社の全体的な方向性や大きな枠組みで見ているので、会社規模のことを聞くのがベースです。
また、社長などの場合にはインタビューにあったことなどを踏まえて個人的なことを聞くのもありです。
- 今後、会社をどのようにしていきたいのか?
- 今の会社での問題はなにか?
- 新規事業や海外展開についてどのように考えているのか?
- どういう会社にしていきたいのか?
- 社長はどのような価値観を持っているのか?
- 会社としてどういった行動や考えを奨励していくのか?
最後に
ここでは、逆質問について見てきました。たがが逆質問と思われるかもしれませんが、意外と工夫の余地があります。
しっかり面接を準備している人でも逆質問で何もなかったりすると拍子抜けすることもあります。
最後までしっかり対策して少しでも内定可能性をあげられるようにしましょう。
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