「起業家」と「芸人」の意外な共通点!それぞれの成功確率を計算してみた

僕は、他人が関心のあるものに関心を持てないと思うことがあります。

たとえば、あまり他人の恋愛話や食事の話に興味を持てず、たまに間違ってInstagramを開くと、この世の地獄ではないのかと思ってしまいます。

旅行などはまだわかりますが、なぜ自分のトレーニング写真や寿司の写真を上げなきゃいけないのかがよくわかりません

もっというと、それにいいねをする側の精神状態も心配になります。

ただ、こうしたものはどうしても共通の話題になりやすく、関係性が希薄であればあるほど、テーマになりがちです。

もちろん大人なので、その場は適当に話を合わせますが、内心は心の底から本当にどうでもいいと思ってしまいます。

やや親しい先輩からの結婚式の誘いを断った数は2,3回ではありません。

親しい人の集まりであればまだマシですが、共通の知人が少なかったりする人はどうやってその地獄の時間を乗り越えるのかがよくわかりません。

それ以上に、もしそれがわかっているならなぜその場に行くことを選択するのかが不思議でなりません。

脱線しましたが、そんな若干、社会不適合気味の僕も人間の生き方(=キャリア)だけには興味があり、数あるトピックの中でも他人の生き方やキャリア選択に関しては飽きずに聞けます。

その人の本質はその生き方にあるのではないかとずっと考えていて、その人が何を思い、どのような選択を過去にしてきたか、今後どうしていくのかということに関心があります。

大学の時にはキャリアデザイン委員会という非常に怪しい名前の団体で、キャリアに関するフリーペーパーも作りました。

さまざまな職業の人のインタビュー記事を載せるというもので商社から出版社、メーカーなど幅広い業界の人を取り上げました。

巻頭インタビューは卒業生の石原慎太郎さんと映画監督の紀里谷さんという今思えば豪華なメンツでした。

ちなみに余談ですが、キャリアデザイン委員会出身で、キャリアに関して明らかに迷走していそうな人を最近SNSで見ました。

一般的なサラリーマンでも、公務員や弁護士・会計士などの資格業でも個人の話は興味深いですが、中でもやはり極端な選択や変わって選択をしている人はさらに面白いです。

宇宙飛行士、スポーツ選手、アーティストなど一般的でない職業はさまざまありますが、中でも自分の中でもっとも興味のあるキャリアが起業家と芸人です。

起業家はシンプルに自分が起業しようと思ったことから多くの起業家の書籍やインタビューを読むようになったことがきっかけです。

学生起業の人もいますが、サラリーマンを経るケースも多く、起業する時点で非連続ですし、実際に起業してからも創業メンバーが退職したり、事業をまったく違うものに変えたり、買収や売却があったりと、変動が大きく見ていて飽きません。(いざやってみると、とんでもないですが)

同じように、芸人にも強い興味を持っていました。ただ、これは芸人になりたいというよりは、バラエティ番組がたまらなく好きで、見ているうちにその主要な登場人物の芸人という職業に強く興味を持ちました。

彼らの人生も面白く、そのまま芸人になる人もいれば、サラリーマンを経ていたり、芸人になってからもコンビを複数回解散していたり、3つ目のコンビで売れたり、解散してからピンになって売れたりと本当にバリエーションが豊かです。

そして、この二者について知れば知るほど非常に似ている点が多いことに驚きます。例を挙げながらいくつかご説明します。

まず、ほとんどがうまくいかないということ。

最初に思い浮かぶ共通点は多産多死ということです。

芸人

たとえば、芸人に関しては、一般的に吉本の養成所に入学するのが300人~500人程度といわれており、このうち売れるのが2, 3人程度です。

この売れるというのはいわゆる一発屋芸人も含みます。テレビに一時期出て、認知されるというレベルに至るのがこの確率なので、ここからさらに残る(売れ続ける)となると、さらに減ります。

最初の母数から考えると、売れる人で1%程度、売れ続ける人はそれよりも少なく、0.2-0.3%あたりでしょうか

ちなみに、アイドルも競争率が高いイメージがありますが、AKBや乃木坂の倍率も1,000倍前後(期にもよりますが)のようです。芸能界ってすごいですね。

起業家

起業家に関しては、芸人で売れるにあたるものの定義とその確かめ方が難しいです。

売れたくない芸人は考えづらいですが、企業に関してはスモールビジネス的に進めるものも多く、すべてが一発当てようとする(上場や会社の売却を目指す)ものではないからです。

しかも、消える人はしれっと消えるため、なおさら実態がよくつかめません。

そこで、芸人でいうところの一発当てるを3億以上の上場や会社売却だとして考えます。

参考資料があまりないのですが、ベンチャーキャピタルからの出資やシードアクセラレーターへの参加を起業家の養成所としたときに、Google Venturesの発表では15%だったり、YcombinatorのPaul Grahamによると、7%程度(評価額が約44億を超えたもの)だったりと数字はあります。

さすがに、挨拶がしっかりできれば受かるという吉本の養成所と、厳しく選考されるGoogleやY combinatorをそのまま比べるのは無理があります。

実際は、これよりもはるかに低いといえるでしょう。

  • Ycombinatorに受かる確率が1%~2%のようですので、合わせると0.1%程度でしょうか。
  • Google Venturesも同程度の難易度と考えると、0.1%-0.3%になります

もちろん、これらのプログラムに受からなかった残り99%の人たちでも成功している人はたくさんいるでしょう。

この人たちの成功確率がプログラム参加の会社よりも低いとすると、高くても3%程度でしょうか。

そうすると、0.3%~3%くらいに収まるのではないかと思います。

運でいうと宝くじが思い浮かびますが、宝くじで1億円以上が当たる確率は3/1,000万=1/333万(=0.00003%)のようでかなり低いです。

1枚300円として、1万枚(=300万円分)を買うと、0.3%になります。

起業すると少なくとも300万円くらいは使うと思うので、そう考えると確率だけで見るとそこまで大きな差はないですね。

当たるとでかい

普通に稼ぐと数十年かかるお金が手に入ります。そして、それ以上に手に入るものがあります。

芸人

これも当たり方によりますが、芸人として売れ続けると年収5億~10億あたりまで狙えます。

もちろん、これからの時代で考えると、どんどんテレビのギャラは減っていきますが、テレビ以外の収入を頑張って増やしていけるでしょう。

一発屋と呼ばれる芸人の人たちも手取りで1億円近い額を得ている例が多いです。

これだけでは、一生生活をしていくには若干足りないかもしれませんが、不動産投資をしたり、二発目を狙ったりとサラリーマンで働く人が数十年をかけて(年300万でも30年かかりますね)やっと稼ぐ金額を手にすることができます。

もちろん、金銭面だけではなく、多くとの有名人との交友やファンの方との交流などさまざまなプラスもあります。最近は有名税の方も高くついてしまいそうですが。。

起業家

起業家はさらに変動が大きく、ZOZOの前澤さんのように会社が1兆円規模になると、資産で4,000億円近くになります。

さらに直近では、剛力彩芽さん、石原さとみさん、こじはるとIT社長が活動の幅を広げています(笑)

上も限りないですが、仮に3億円というやや小規模の売却だとしても株を半分程度持っていたら税金を引かれても1億円近い手取りが見込めます。(優先株などややこしいことがなければ)

起業家の場合にも、一度Exitすると、さらにエンジェル投資やコンサルなどその後の活動もいろいろと考えられます。

方向転換(ピボット)する

起業家も芸人もいきなり売れることはほとんどありません。

芸人

芸人は今テレビの前線で活躍している人も実は紆余曲折あったケースが多いです。

たとえば、ケンドーコバヤシさんはアメトーークなどで目にするかと思いますが、ピンになる前に2回コンビを解散しています。

僕の敬愛する南海キャンディーズの山里さんは、最初のコンビを解散し、しずちゃんとコンビを組む前にイタリア人という名前で斬新なピンのネタ(あるあるネタ)を披露していました。

吉本新喜劇の座長になり、バンドにモデルと引っ張りだこの小藪さんも、新喜劇の前には漫才コンビを組んでいました。

他にも、バカリズムさん、土田晃之さんも以前はコンビを組んでおり、解散しています。

リズムネタに挑戦する芸人も多くの場合、その前に正統派漫才やコントを試しています。

起業家

ベンチャーにおいて当初の事業を変更することをピボットといいます。

これは、バスケのピボット(軸足をそのままにして、もう片方の足を自由に動かす)から来ていますが、実際の起業家の動きはピボットというよりもトラベリングに近く、軸足関係なくまったく違う事業を始めるケースも多いです。

たとえば、市場がないケースでは、いくらピボットをしてもしょうがないので。これは、後に上場するような会社でも頻繁に起きますし、ほとんどの会社は大なり小なり事業を変更しています。

Youtubeはもともと動画を使った出会い系のサービスでしたし、Instagramはもともと位置情報を利用したソーシャルチェックインアプリでした。

日本のソフトバンクはもともとパソコンソフトの卸業です。

しにそうになる

しぬというのは比喩ですが、あきらめたり、お金がなくなったりします。

実際にそうなる人も多いですが、後からうまくいった人も多くの場合には、解散を考えたり、引退を考えたり、資金がショートしたり、事業をクローズしようとしたりと危機が訪れています。それを乗り越えられず、やめてしまう人も多いです。

ピボット中のつらさやいい年になったときに同世代と自分を比べたときの落差に衝撃が走ります。

生活環境はよくない

どちらもあまりよい生活はしていません。特に若手は。

確かに起業家は芸人のように風呂無しのアパートに住んでいたりみたいな話はあまり聞きませんが、オフィス兼事務所でひたすら働き続けたり、寝るためだけに狭い部屋を借りるということはありがちです。

起業においては生き続けるために必要な生活費を稼ぐことをRamen Profitable(ラーメンを食べられるだけの利益)と語ることもあります。

寝て食えば、起業家はしなないという発想から来ています。

また、芸人の場合には、多少売れてくると収入が徐々にマシになりますが、起業家は億単位の資金調達をしても社長の給料は30万円前後みたいなことは割とよくあります。

村は優しい

どちらも優しいコミュニティー(村)があります。

芸人の場合には、先輩が後輩をおごって面倒を見るように、起業家もExitをした先輩がおごってくれたり、もっと直接的にエンジェルとして会社に投資をしてくれたりします。

みんな大変さを知っているので、アドバイスをくれたり、自分のノウハウを共有したり、後輩のためにあらゆる面からサポートをしてくれます。

また、それぞれ独自の村としてのルールがあります。芸人の場合には、芸歴という年齢とは別の尺度で上下関係が作られたり、先輩が後輩にご飯をおごるというルールがあったりします。

スタートアップでは、とりあえず猛烈に働く、失敗はOK、若さは武器みたいなものがありますね。どちらもちょっとクローズドで、外界から見るとちょっとずつおかしなところもあるのが村っぽいですね。

最後に

探せばもっとあるかもしれませんが、こんな感じで多くの共通点があります。

もともと芸人さんの話を読んだり、聞いたりするたびに他人事とは思えないのですが、ちょうど一発屋芸人に関する本を読んで、あらためて親近感を覚えたので、書きました。

最後に、自分がもっとも好きな起業家の定義をご紹介します。

起業家というのは肩書きではない、それは未来を変えたいと思う人たちの心のありようだ。

そう考えると、芸人も人を楽しませたいと思う人たちの心のありようかもしれません。

芸人に興味がある方はどうぞ。

起業家に興味がある方はこちらどうぞ。読むのにプログラミングの知識はいりません。

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