マーケティングオートメーションとは?経験者が語るMAツールと事例

マーケティングオートメーションという言葉を聞いたことがありますか?

文字通りに解釈するとマーケティングを自動化(オートメーション)するということですが、すべてを自動化するわけではありません。

これはマーケティング活動の一部を自動化し、効率化することができるものです。具体的なシステムやツールを指すこともあり、MA(Marketing Automation)ツールと呼ばれることもあります。

前職でこのツール導入に携わりました。ツール自体の認知は上がっているものの、事例はそこまで多くなく、手探りで進めていたため、なかなか大変でした。

ここでは、マーケティングオートメーションに関して、基礎から実際にやった流れや結果も書いていきます。

マーケティングにおける新しいトレンド

マーケティングは技術と結びつきが深い分、進化も変化も早くなっています。

少し前にも、インバウンドマーケティング・コンテンツマーケティング・バイラルマーケティングなど多くの言葉が生まれました。

世の中のニーズに合わせて、新しいマーケティング手法が出てきます。(定着するかはまた別問題ですが)

なぜ今注目されてきたのか?

マーケティングオートメーションが注目された背景は、コンテンツマーケティングやインバウンドマーケティングなどの文脈と近いです。

従来的なアウトバウンド営業(こちらからアプローチする)の限界から注目されています。具体的にはこのような背景です。

  • モノやサービスが世の中にあふれて、アウトバウンドの営業効率が悪くなった
  • 電話営業や飛び込み影響などでの押し売りに対する印象が悪くなった
  • 技術が十分に複雑な処理もできるようになった

今までのアウトバウンド型の営業よりも効率的・科学的に進めようとした結果、注目されているわけです

以前であれば、営業担当がひたすら飛び込み営業をしたり、電話をかけたり(テレアポ)しても採算が合うところが多かったです。

それが、徐々に効率が悪くなり、さらに悪い評判が広まりやすくなったこともあり、企業側は避けていきたいという思いもあります。

マーケティングオートメーションでなにができるのか?

では具体的にマーケティングオートメーションではなにができるのでしょうか?

MAツールでできることは、相手に合わせてメールを送ったり、ポップアップで通知したりすることなどです。

あらかじめ、決められた日ごとにメールを送るようなステップメールは以前からありました。このようなイメージです。

登録日→2日後(メール1通目)→3日後(メール2通目)

MAツールを使うと、たとえばこんなメール一つでもさらに高度なものが可能です。たとえばこのような形です。

登録日→2日後(△△業界の人にはメールAを送信)→3日後(前回のメールを開いていればメールB送信、開いていなければメールC送信)

ほかにも、相手の属性や行動にスコアリング(点数で評価)をして、役職が高いと点が上がる、○○業界は点が上がる、何回もサイトに来ると点が上がる、メールを開くと点が上がるなどとして何点かを超えるとこれをするといったことも可能です。

すべての顧客に同じ体験を提供するマスマーケティングな考え方から顧客1人1人に接客するようなワン・トゥ・ワン・マーケティングが自動で可能になってきてるということです。

マーケティングオートメーションのメリット・デメリット

メリット

  • 営業効率が良くなる
  • マーケティングと営業で全体最適にできる
  • 個人の営業能力に依存せずに成果を挙げられる

メリットとしては、うまくやれば営業・マーケティングの効率が良くなるということです。

見込み度が高い人にリソースを割いたり、1人1人に合ったマーケティングをしたりすることで効率化が可能です。

より少ない営業マンで同じ契約数を取ったり、単純にマーケティング予算を減らせるということもあるかもしれません。

また、営業は通常、個人の能力に依存する部分も大きいですが、戦略的に自動化することでパフォーマンスのばらつきを減らすことができます。

デメリット

  • 導入にも運用にもそこそこの工数・費用がかかる
  • 担当には特殊な専門スキルが必要
  • 社内調整が必要となる

理論的には、営業やマーケティングが効率的になりますが、その導入はなかなか大変です。

セットアップだけでも相当大変で、たとえば、このようなことを考える必要があります。

  • データをどうやって既存のサービスから取るか(どのデータ、頻度、方法…)
  • どの顧客を重要とするか(会社規模、担当者役職、業界…)
  • 顧客向けのシナリオをどう作るか(なにを伝えるか、どの順番で伝えるか、どの段階でどうコンタクトを取るか…)
  • 顧客向けのコンテンツを作成する(ページ、メール…)
  • 運用する体制やKPIをどうするか
  • どのように開発や営業と連携するか

担当者は営業・マーケティング・開発(というかデータベース)に関して簡単でもいいので、理解している必要があります。

立ち上げるにあたり、運用のKPI・社内体制・連携方法に関しても考えておかないと導入しただけで終わります。

さらに、マーケティングオートメーションのツールは月額で数万~数十万するような高額なものであるため、費用も見る必要があります。

マーケティングオートメーションの具体的な進め方

マーケティングオートメーションの進め方は基本があります。

マーケティングでは、見込み客(自社の商品・サービスを買ってくれる可能性がある会社や個人)をリードと呼ぶので、これ以降は見込み客はリードという名前で統一します。

このような順番です。簡単にそれぞれを説明していきます。

  1. リード獲得(ジェネレーション)
  2. リードのナーチャリング・スコアリング
  3. リードのクオリフィケーション(合格的な)
  4. 営業リストでの管理

リードジェネレーション

まず、最初は見込み客を獲得することです。ここは見込み顧客を探す通常のやり方と変わりません。

営業電話(テレアポ・コールドコール)をかけたり、セミナーを主催したり、展示会に出展して参加者の名刺を獲得したりします。

最近ではオンラインで自社のメディア(オウンドメディア)に資料ダウンロード・お問い合わせなどのフォームを作ったりすることも多いです。

リードのナーチャリング・スコアリング

ここは、その見込み客を点数化して(スコアリング)、育成する(ナーチャリング)段階です。

たとえば、その会社が○○業界であれば、+○○点、部長以上であれば、+○○点という形でリードを点数化します。

また、こちらが予め決めておいたメールを登録から○日後に送ったり、○○点の人が○○のページにアクセスしたら○○といメールを送ると行ったこともできます。

ここで、決められた点数になるまで、プログラムが(半)自動的に動きます。

こうすることで、温度感の低い顧客にむやみにコンタクトして時間をロスしたり、休眠クライアントが久々にサイトにアクセスしたチャンスを逃したりということがなくなります。

リードのクオリフィケーション

ここでは、リードが一定のスコアに達したら営業担当にリードを渡します。

直接、営業担当に通知が行くケースもありますし、橋渡しのような人をアサインしてその人が確認することもあります。

会社によっては、このポジションの人をインサイドセールス(内勤営業)と呼ぶこともあります。

インサイドセールス

内勤営業と呼ばれることもあります。インバウンド営業など企業の中にいて営業をするメインでするポジションです。

通常は、マーケティングオートメーションツールの調整をしたり、マーケティングと営業のちょうどあいだのような人の動きになるケースが多いです。

営業リストでの管理

大きく分けると、リードまではマーケティング担当の仕事で、十分にスコアが上がったリードは営業担当に渡されます。見込み客であるリードとわけて、アカウントと呼ぶこともあります。

ここまではマーケティングオートメーションツールで、ここからはSalesforceのような営業・顧客管理ツールで管理することが多いです。

実際にやってどうだったかと成功させるポイント

実際にやってみてどうだったか、成功のポイントを見ていきます。

そこまで効果はなかった

実際にシナリオも作ってやっていきましたが、効果を出すことが難しかったのが正直なところです。

いくつかの目的でやりましたが、MAツールはあくまでもマーケティングの流入施策や流入したアクセスに対してページの改善なども必要です。

当時、取り組んでいたときには予算が限定されていたり、課題がわかっても他部署とうまく連携できなかったりといった課題がありました。

その課題がわかったあたりで、上司も自分も抜けてしまったので、その後どうなったのは正直わかりません。

成功のポイント

マーケティングオートメーションは予算・部署など多くのものが必要で、役職の高い人の協力がないと難しいです。

本気でやるのであれば、自社メディアを作ったり、メールも作り込んだり、データベースとの連携をしたりと、複数の部署連携も必要となります。

導入にも時間がかかりますし、その後に成果を上げるにはさらに時間がかかります。うまくいっている企業では、社長や取締役レベルの人が導入にコミットしています。

ある導入企業では、リードがサイト訪問など何らかのアクションを起こした瞬間に、営業担当にアラートがいくようにしているようです。

そこで、外出中であってもすぐに電話するとのことです。(このとき、偶然を装うらしいです)

ちなみに、その会社が営業先から近い場合には直接、営業マンが訪問することもあるようです。これくらいの気合で成功させているようです。

優秀な担当者

もう1つは、担当者もソフトスキル・ハードスキルともに必要となります。

ソフトスキルでいうと、エンジニアの人と連携して、自社のデータベースとの連携をどうするか、登録ページへのタグの挿入やモニタリングだったり、営業担当と連携して、担当者決め、リードを渡した後の管理方法やモニタリングと結構負荷がかかります。

スキルとしても、どのようにシナリオを考えるか、PDCAを回しながらスコアをどのように設定するのか、どのようなデータが必要かなどマーケティング視点が必要です。

新しいツールが出るとどうしても飛びついてしまうことがあります。ただ、ツールを導入するだけで改善するようなことはそうそうありません。

きちんと調べて、成功させるだけの体制を整えて臨みましょう。

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