【アイドルのキャリア考察と書評】『アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア』

「アイドルのキャリアってどうなっているのだろうか?」

もともとアイドルのキャリアにも興味があり、非常に参考になりました。

元AKBグループの筆者がインタビューをして、書いたものです。

ここでは、本の感想に加えて、アイドルのセカンドキャリアに関する僕の考えをご紹介します。

書評・感想

おすすめ度:★★★☆☆

個人的には面白かったのですが、読む人を選ぶ本だと思ったのが正直です。

一番の理由はリアルだからかもしれません。

文章も淡々と書かれていますし、登場人物に知名度が高い人もいません。

アイドル時代の話もそこまで掘り下げられておらず、ファンの人なら知っている話も多いです。

その後の話も20代の若い女の子という感じで、キャリア論や生き方に関する話としては深みがありません。

いろんな人の人生の序章だけを読んでいるという感じなので、物足りなさを感じてしまいます。

20歳前後の等身大の女の子という感じが強いので、リアルだけどパンチはないところが惜しいなと思います。

アイドルが好きとか、キャリアの話に強い興味があるという人はいいですが、それ以外の人はアイドルのインタビューとかドキュメンタリー映画を見たほうが楽しめるかもしれません。

『アイドル、やめました。 AKB48のセカンドキャリア』を見る

アイドルではありませんが、芸能人という意味では一発屋芸人列伝は面白かったです。

書いているのも髭男爵の山田ルイ53世で、波田陽区やムーディー勝山などユニークなメンバーが登場します。

書き口や登場人物のキャリアという点でも非常に面白いです。

『一発屋芸人列伝』を見る

アイドルのキャリア論を考察する

書籍ではあくまでも少数を取り上げていますが、もう少し広げてアイドルのキャリア論を考えます。

個人的なアイドルの知識はかなりAKBと坂道に偏っていますが、アイドルのキャリアに関して考察します。

セカンドキャリアの2つのポイント

  1. スキルや経験が特殊
  2. 若いときに判断ができる

1.スキルの特殊性

アイドルのセカンドキャリアを考えるうえで重要なポイントとしては、アイドルとして得られるスキルは非常に特殊だということです。

アイドルの活動内容としては、以下のようなものです。

  • ダンスや歌などのパフォーマンス・撮影
  • 握手会などのイベント参加
  • テレビ、showroomなどの番組・配信

セルフブランディングや関係者やファンとのコミュニケーションなどは他の仕事に活かせないとはいい切れません。

ただ、あくまでもポテンシャル採用という水準で営業・マーケティング・広報などの経歴と比べると弱いというのが正直なところではないでしょうか。

2.セカンドキャリアが若い

アイドルは純粋なアイドルとしての活動は年齢制限が低いです。

こじはるも29歳で卒業しました。乃木坂も卒業ラッシュですが、卒業時の年齢は25歳前後が多くなっています。

  • 西野七瀬(24歳)
  • 衛藤美彩(26歳)
  • 伊藤かりん(25歳)
  • 斉藤優里(25歳)
  • 桜井玲香(25歳)

直近で卒業した長濱ねるちゃん(欅坂)に至っては20歳です。

ある程度、うまくいったメンバーでも20代後半には卒業しますし、合っていない人は20歳前後で判断する人もいます。

同じ芸能人でも売れていない中年の芸人とは異なり、若いときにセカンドキャリアを考えられるというのが大きな特徴です。

20代はポテンシャル採用が効くので、キャリアの選択肢が比較的広いというのがポイントです。

セカンドキャリアの方向性

上記の本でも取り上げられていましたが、アイドルのセカンドキャリアは多様です。

声優やラジオ局のように芸能界よりの人もいれば、アパレルブランドを立ち上げたり、保育士や飲食店で働く人もいます。

そこで、芸能界か実業家、ファンが関係するか、ファンがあまり関係がないかの2つの軸で以下の4つに分けました。

この4つに対して、それぞれ見ていきます。

1.芸能界×ファン

卒業後も芸能界に残るというポジションです。

女優

安定して残りやすいのは女優でしょうか。

AKBでは前田敦子、大島優子、川栄李奈など乃木坂では西野七瀬、深川麻衣などオーソドックスなキャリアです。

テレビ以外も映画や舞台など活躍の場が多いので、おすすめです。

テレビ

安直に選びがちですが、生き残りがもっとも難しい領域です。

2~3年ごとにメンツがほぼ完全に入れ替わります。マリエ、芹那、トリンドルのこと覚えてますか?

たぶんAKB、坂道を入れてもさっしー以外は残らないと思います。

先人でも島崎和歌子、井森美幸くらいしか残っていないことをもっと認識されるべきです。

声優

元AKB佐藤亜美菜さん、元HKT山田麻莉奈さんがいます。

枠は多くないですが、ファンも活かせそうでアイドルとそこそこ親和性が高い気がします。

アイドル・インフルエンサー

YouTube、SHOWROOM、Instagram、オンラインサロンなど個人が稼ぎやすい場が増えたので、この領域も増えるかもしれません。

元HKTのゆうこすとかが有名ですね。

アナウンサー

市來玲奈、斎藤ちはると元乃木坂のアナウンサーがキー局に入社しています。

AbemaTVでは元SKEでフリーアナウンサーの柴田阿弥さんがよく出ています。

アナウンサーの場合には、フリーの可能性も含め、知名度や人気度が重要なので相性がよさそうです。

2.芸能界×ファン関係なし

裏方的な仕事で、ラジオや事務などもありえます。

新内眞衣もラジオ局の関連会社でOLとして働きながら、アイドル活動をしていました。

アイドル自体のツテで、関連会社の事務的な業務も選択肢としてはありえます。

裏方になると表にはあまり情報が出ないので、該当する人がどの程度いるのかはイマイチわかりません。

3.実業×ファン

実業に回る人もいます。

アパレルでも、篠田麻里子(現在は閉店)、川崎希、小嶋陽菜さんなどがいます。

内田眞由美さんは焼肉IWAというお店を経営し、元AKBグループの人を雇っています。

ここも数はそこまで多くないでしょう。

4.実業×ファン関係なし

表には出ませんが、ほとんどの人がここに入るのではないでしょうか。

一般的な企業に就職したり、結婚したりするケースが多いかと思います。

一般人になった人の情報は少ないですが、元乃木坂の中元日芽香さんはカウンセラーになりました。

飲食店勤務、アパレル店員、営業職などの人も相当数いるのではないかと思います。

結婚も増えてきています。

元AKBでは高橋みなみさん、篠田麻里子さんの玄米婚、元乃木坂でも畠中清羅さんは結婚、出産などが取り上げられています。

おすすめの基本戦略

アイドルに関しては、そのままスキルや経験が最大限に活かせる場が少ないので、以下の2つがおすすめです。

  1. ファンをマネタイズする
  2. 保険としての結婚

グループ在籍中にどんなに忙しい人でも卒業後はかなり時間に余裕ができます。

年齢的にもキャリアの選択肢は多いので、自分がやりたいことをやれるようにお金の問題を解決することを第一優先にするのがおすすめです。

サロンでもファンクラブでもYouTubeでもいいですが、なんらかの形で収益を確保できると安定性が上がると思います。

また、アイドルとして人気があるうちに、できるだけ早めに実業家、スポーツ選手、医者あたりと結婚してしまうのがいいのかなと思います。

その後は自由に、芸能界に残っても一般企業に勤めても好きなことをすればいいでしょう。

さらに知っておきたいこと

ここでは、アイドルのキャリアという特殊なキャリアを見てきました。

ほかにもキャリアに関するコンテンツは多数あります。こちらもあわせてお読みください。

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