少し前になりますが、9月の終わりから11月の初めまで東南アジアを旅しました。
バングラデシュ⇒ミャンマー⇒タイ⇒ベトナム⇒インドネシア⇒シンガポール⇒マレーシアと7か国に行き、現地でビジネスをしている人に色々と話を伺ってきました。
そのときのレポートです。IT系を中心に見ていたので、それ以外の情報が少ないのとビジネス以外にも現地での生活も込みの内容。
雑感
1.5億人という人口ポテンシャルの割にはあまり注目されていない国です。
人は本当に多く、アジアのほとんどの国に行ったことがあるが、空港を出た瞬間に人の多さに驚いたのは初めてでした。それくらい圧倒的に人が多いです。
ダッカの人口密度は東京より多く、イメージ的には町全体が渋谷といった感じです。ビジネス的にいうと、かなり時間がかかりそうな印象を受けました。
国としては、不動産、建設みたいなインフラに近いところか縫製系の工場やオフショアのような外貨系がまだまだ多いです。
進出にあたっての法規制が他の国に比べると緩かったり、人が良かったりということはありますが、まだまだ中間層と呼べるような人たちが出現するのに時間がかかるのと、圧倒的な住環境の悪さから強いおすすめはできませんでした。
IT系であれば、ほとんどのビジネスが空いてるので長い時間をかけてもいいのであれば(感覚的には5年~10年)、また現地の生活に耐えられるならば、魅力的かもしれません。
グラミン銀行だったり、マザーハウスだったり、社会事業の側面が強いものも盛んです。
一人当たりGDP、人口
- 1人当たりGDP 1,403$
- 人口 1.56億人
他のアジアの国と比べても低い。ベトナム、フィリピンよりは低くミャンマーと同程度。
人件費、物価
- 大卒初任給で2万円程度
- 食事はコーラが40円、屋台の食事で30円、レストランで180円程度
- 移動はリキシャが30円~、CNG(トゥクトゥクみたいな)が100円~
事業機会
やはりリアルビジネスが多いです。外資も進出していますが、ほとんどオフショアだったり、工場だったり、顧客は先進国向けのものです。
そもそも外国人が駐在・旅行者を含めてほとんどいないので、ありがちな外国人向けのビジネスはほとんどありませんでした。
ちなみに、日本もユニクロも向上を作り、生産をしているとのことでしたが、多くの日本企業は欧米企業とロットが違いすぎるため、コストメリットがあまりなく、中国での発注がまだまだ多いようです。
IT周りではスマホを持っている人が多く、Facebookをめちゃめちゃ見ていました。Facebook=インターネットという感じでまだまだその他のサービスが出てきそうな気配はありません。
一部、ロケットインターネットとかがデリバリーのサービスなどをやっているようでしたが、浸透するにはかなり時間がかかりそうです。ちなみに、人はかなり良かったです。
見た目はインド人にかなり似ていましたが、打ち解けるのも楽だし、嘘をついたり、積極的に騙そうとしたりは他の国と比べても少ないのではないかと思います。
ウェットな人間関係が苦手な人はだぶん大変だと思います。スタートアップは一応、SD ASIAという組織があり、アクセラレータなどもやっているようだが、盛り上がっている感じはまだまだなかったです。
そもそも企業の買収なども全然ありません。
難しさ
物流や決済などはほとんどないに近いので、インフラが整うのにかなりの時間がかかると思われます。
やはり中間所得層の拡大に時間がかかりそうです。また、テロの影響から外資企業の進出にしばらく時間がかかりそうです。
がっつりイスラム教で文化的にだいぶ違うので、ビジネス面・生活面でともに対応していく必要があります。(どこの国も同じか)
関連する日本人
山口恵理子さん
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念でバングラデシュでバッグを生産し、日本で販売しています。裸でも生きるなどの著書でも有名。
「こうしたくない」は「こうしたい」よりも強い/マザーハウス・山口絵理子
税所 篤快さん
貧困地域で質の高い事業を受けられるように、e-Educationという教育事業を行っています。バングラデシュから始め、複数の国に展開中。
生活面
精神衛生上はかなりしんどいかと思いました。正直に言うと、かなり許容度の高い僕でも自分は住みたくないと思いました。
テロがあったので、外国人は必要以上に外に出ないようにしていたり、外に出ても道路を車とリキシャと避けながら歩道の人も避けるというなかなか大変な環境です。
お酒は手に入りにくいですし、娯楽もほとんどないですし、日本人の感覚からすると結構大変な印象を受けました。何よりも現地に住んでいる人のほとんどが生活はタフだと言っていました。
個人的に
ポテンシャルは魅力的なのですが、ネット系のビジネスはちょっとまだ早そうです。イメージ的には2020年とかもうちょいしてからの方がいいかもしれないです。
オフショアはまだあるかもしれないが、話を聞いているとベトナムでもそこまで費用が変わらずエンジニアが雇えたりもするらしいので(ベトナムは1人あたりGDP2,000$程度)、こだわる必要は無いかもしれない。
滞在している人で見ても、青年海外協力隊で行っていたというような人も多いので、あまりビジネス的に激アツという感じではないかもしれない。