旅行系ビジネスに役立つ類例と反例

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Travel

誰かが検証してくれている仮説は検証する必要が無い、ということをふと思い出して、いくつか頭の中にはあるものの、明文化できていないことを備忘録がてらまとめておきたい。このようなことを指摘してくれるリーン・スタートアップは本当に良書だと思う。反例の方がわかりやすいのでまずは反例から。

反例(うまくいかないということが証明されていること)

何となくのCtoC

インバウンド周りでよくあるのだが、旅行者と現地の人(ガイド)をマッチングさせるというもの。日本でお金を取ってガイドするには通訳案内士という資格が必要なのだが、厳密にやろうとするとこの人達を集める必要がある。で、ほとんどの場合うまくいっていない。通訳案内士が集まらなかったり、逆に顧客が集まらなかったりとかいわゆるプラットフォームにおける落とし穴にはまるケースが大半だ。プラットフォームビジネスはなんであれ、圧倒的な集客力やトランザクションが必要になる。自分が海外に行ったときをイメージしてもガイドが必要な場面というのは、都心から遠く、自分の力ではいけないケースや移動を伴う場合(トゥクトウクみたいな)に限る。純粋にどこかを案内してもらうためだけに対価を払うケースってかなり少ないのではないか。無理にプラットフォームにせずに、BtoCに近い形で、営業代行的な感じの方がまた良さそうだ。Voyaginも結局、CtoCがグロースせずに、BtoCに力を入れたわけだし。一方で、meetripが買収されたように、さほど大きくない規模でのエグジットなら狙えるのだろうか。いずれにせよ、Airbnbがうまくいったからレベルだとかなり厳しいだろう。宿泊というのは必要性のある行動であるが、ガイドはあくまでオプショナルな要素だ。

ソーシャル旅行

これもまさに国内でやっているところがものすごく苦労しているのを見てやってはいけないと思うようなものだ。結局、ウユニのようになかなか行くのに抵抗があるようなものではワークするが自分でもいけるようなところへ一緒に行くモチベーションは働かない。大学生の卒業旅行に向けてパッケージングをしたり、簡単に予約できる仕組みを作るみたいなソリューションであれば、まだありえるかもしれない。誰かわからない人と旅行に行きたいというニーズがほとんど無いことは閑散としたプラットフォーム自体が証明していると思うが、自分の感覚に照らし合わせてもあまりニーズが無いように思われる。自分を含めて、旅行者の人は旅慣れている人でもツアーに参加することは珍しくない。それは、トレッキング(山登り)だったり、アクセスの良くない遺跡だったり、魅力的だが代替手段が無いケースでは、、バスやミニバンで移動するようなツアーに参加することはある。もちろん、仲良くなって話したり、飲んだり、遊んだりということはあるが、この体験はゲストハウスであれ、飲み屋であれ、得られるものだ。それを求めてツアーに参加するわけではない。一緒に行くということ以外の付加価値を提供しないとかなり厳しいと思う。

旅行SNS

Social travel sites are screaming for attention – but industry and consumers are not really listening

上記は海外含めた旅行ビジネスを調べていたときに見つけた秀逸な記事。やはりどの国も一緒で旅行系の事業を考えるとSNS的な方向に走る例が少なくないらしい。教訓としては、旅行のためだけにSNSを使おうとする人なんていないということ。これは旅行のSNSだけでなく、ペットのSNSが無いことと一緒で誰もそのために、Facebook以外を使おうと思わないのだろう。ソーシャル要素だったり、コミュニティー要素があることは問題ないが、それをコアな価値としてみると痛い目を見るのではないか。

他人の日記

これも上記と関連するが、僕らは自分の参考になる記事がみたいだけで、誰かの日記がみたいわけではない。ミャンマーでパガンに行ったほうがいいのか、行くなら飛行機がいいのか、夜行バスがいいのか、タイのカオサン通りに安くいくにはバスの何番に乗るといいのか何時間かかるのかが知りたいだけだ。これを履き違えると誰も読みたくないものを書いてしまう人(それがいればまだいいのだが)が出てきたり、誰も読みたくないものを書く人を一生懸命集めてしまったりする。それらのコンテンツ価値がないとはいわないが、他人に対してもどんぴしゃで価値があるケースはそう多くはないだろう。

翻訳をしてはいけない

これは主にメディアに関してだが、以前出版ビジネスに多少携わっていた時期があって、そのときの経験からコンテンツの翻訳はしない方がいいという話。2つの問題があって、1つはコストの問題。出版の場合は特に顕著だったのだが、翻訳しても元を取れるような作品はほとんどない。クラウドソーシングの翻訳サービスも様々あるが、文字数円はかかるので、収支は合わない。(加えて、海外で無断で翻訳し、無料でアップロードしている人たちがいるので、漫画やアニメはかなり厳しい。)もう1つは、ニーズの問題。国が変われば、大きくニーズは変わる。たとえ日本に来る人であっても、中国と台湾では違うし、欧米になるともっと違う。こういった異なるニーズに翻訳では対応できなく、コストパフォーマンスまでを考えると、割高になってしまうのではないか。よほど大元のコンテンツが良くない限りは、翻訳をしないで別のコンテンツを改めて書いてもらった方がいいと考えている。

類例(うまくいくかもしれないと証明されているもの)

スポットに対するCGM(と旅行お助けコミュニティー)

これは国内・国外ともに成功例がある。ある特定の場所に行ったほうがいいのかどうかを判断するのにコメントやレビューの点数は役立つらしい。旅行者にインタビューをした中でもスポット情報を集めるときは(にだけ)使うということを言っている人もいた。国内のものは他人の日記現象も起きているのだが、スポット情報があるのと、掲示板的なスポット情報では解決できない要素を補完する仕組みができている。

旅行(キュレーション)メディア

これは国外において、日本的なレベルのものはあまり無かったのだが、国内ではそこそこHotな分野として存在している。アップサイドがどこまであるのかという課題とマネタイズをどうするのかという論点はあるものの、うまくいけばここもそこそこ伸びそうな分野になっている。旅行系コンテンツや商材のCVRが見込めないとPV単価の世界に突入してしまうので、そこの部分は結構辛いかもしれない。

アクティビティー予約

ここは国内にもプレーヤーがいるのだが、海外に比べると厳しいような気がしている。アメリカでうまくいっているZOZIはtoCだけでは厳しいのでtoB向けのソリューションを拡張して拡大したが、そもそものマーケットの大きさがかなり違う印象を受ける。こういうアクティビティ系のサービスって地元の人というよりも旅行者の人が活用するものだが、その絶対数がかなり違うのではないか。日本は訪日外国人が2,000万人にいきそうで喜んでいるが、アメリカは8,000万人。国内人口の差も多いので、国内旅行者も合わせると潜在的な顧客の数ははるかに少ないのではないか。(アメリカ人はあまり海外旅行しないというし)もちろんインバウンドは増えているのだが、その人たちってどれくらいアクティビティに使うのか、欧米系に比べてアジアの人が多いが、その人たちはアクティビティにお金をかけやすい人かなどを考えると結構厳しいと思っている。旅行会社のビジネスプロセスに入っていって着地形観光のパッケージ化からオペレーションに近い部分まで押さえるとか、海外向けの面を取るとか、何か工夫がないとツアーを増やしても売上が増えていかないのではないか。

Mohi

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