フリーランスという働き方が広まっています。
会社に属せずに自分の好きな時間・場所で働くというと憧れる人もいるかも知れません。
フリーランスは増えてはいますが、まだまだその実態は十分に広まっていません。
ここでは、フリーランスの中でもエンジニアに焦点を当てて、その実態に迫っていきます。
目次
フリーランスのエンジニアとは?
フリーランスとは、特定の企業や団体に属さないで働く人たちを指します。
個人事業主としてやっている人も法人を設立している人もいます。
特定の会社と雇用契約を結んで、毎日出社するという働き方ではないものだと思ってください。
派遣とフリーランスとSES
派遣とフリーランスの違い
少しわかりにくいものに、派遣とフリーランスの違いがあります。
フリーランスの案件でも高単価のものは常駐型が多いです。
そうなってくると、一定の期間で派遣されて会社で働く、派遣社員に近いと思われるかもしれません。
派遣の場合には、派遣会社の社員として働きます。
派遣会社と労働者が契約を結び、給料も派遣会社から支払われます。
フリーランスの場合にはクライアントと業務委託契約を結び、給料はクライアントからもらいます。
派遣とSESの違い
これが基本ですが、エンジニアの場合にはSES(システムエンジニアリングサービス)というややこしいものもあります。
これは派遣とほとんど同じなのですが、指揮命令は派遣元の企業が持つというものです。
フリーランスの年収事情
同じ能力であれば、会社員とフリーランスの場合には、基本的にフリーランスの方が給料は上がりやすいです。
それはシンプルに会社側が負担していたコストがなくなるからです。
- 会社が半分負担している社会保険
- 席やPCなどの備品
- 交通費や福利厚生
- 一方的に契約終了できる
具体的な金額ですが、下記のようなデータがあります。
- レバテックフリーランス:平均862万円
- SE HACKの調査:平均600万円~900万円
- ランサーズの調査:フリーランスエンジニアで700万円~1,200万円
だいたいどのサイトでも600万円~800万円くらいの案件が多くなります。
日本の平均年収が450万円程度なので、いずれにせよかなり高いといえるでしょう。
自分の友人には、月収100万円以上の人が複数います。
実務経験2~3年でも優秀なエンジニアで100万円以上は狙えるという感じです。
手取りは会社員よりも減る
基本的にフリーランスの方が費用が増えます。
社会保険の負担額が増えたり、交通費や福利厚生などの補助がなかったりするからです。
年収が増えるので、手取りが単純に増えるわけではないことは認識しておきましょう。
フリーランスの案件について
案件の探し方
フリーランスは自分で探す場合もありますし、エージェントもあります。
エージェントの場合
顧客がいない場合には、エージェントに行って紹介してもらいます。
マージンが15%前後かかりますが、実務経験さえあれば確実に見つかります。
- 高単価案件も多数のレバテックフリーランス
- 案件の質も量も充実のギークスジョブ
- 地方案件も多数の大手老舗はPE-BANK
- 給与保証で安心のMidworks
- 小回りの利くポテパンフリーランス
自分で取れない場合には、こうしたものを活用しましょう。
自分で獲得する場合
前職のつながり、知り合い経由、SNS経由での案件獲得が多いです。
当然、直取引なので契約関係は自分で対応する必要がありますし、リスクに関しても自分で取る必要があります。
すでに多くの業務委託に対応している会社であれば大丈夫ですが、そこそこの企業でも不誠実な対応をされることは珍しくありません。
週5日の常駐案件が多い
フリーランスのエンジニアは、あなたがイメージするフリーランスとは違うかもしれません。
もし、あなたがフリーランスと聞いたときに南の島やビーチが浮かんだら実態はそうではないものが多いです。
高単価の案件は週5日の常駐であることが多いです。
当たり前ですが、オフィスにいない人に月100万円を払うってリスキーですよね。
南の島にいる人と、オフィスで常にコミュニケーションを取れる人がいたら後者を採用したいですよね。
稼いでいた僕の友人たちも常駐案件を請けていました。
また、週3日の人を2人マネジメントするよりも、週5日で1人の方が楽なので、週5日の案件が大半です。
そう考えると、雇用形態はともかく実態は派遣に近いような気もします。
在宅案件は自分で探す
在宅案件、リモート案件を取りたい場合には、自分で探す必要があります。
基本的にフリーランスのエージェントは在宅案件には消極的でほとんど取り扱っていません。
- クライアントが望んでいないケースが多い
- 案件の金額が常駐よりも低くなる
- トラブルが起きやすくなる
という理由から積極的に扱っていません。
週2日で働きたい、在宅案件を探したいという場合には、自分で積極的に探しましょう。
フリーランスエンジニアのメリット・デメリット
では、いいことも悪いことも含めて、フリーランスのエンジニアの実態を見ていきましょう。
フリーランスのメリット
1.自由に働ける
常駐案件中心の場合には、自由度は下がりますが、うまくやれば自由度は上がります。
- どれくらい仕事をするか
- いつ仕事をするか
- どんな仕事をするか
- 誰と働くか
など、正社員ではなかなかコントロールできないものがコントロールできます。
2.年収が上がる
優秀な人ほど収入は上がりやすくなります。
企業で働いていると、どうしても収益を分配するため、優秀な人への分配は低くなりがちです。
エージェント経由でも十分に上がりますが、自分で案件を取れるようになるとさらに上がりやすくなります。
もちろん、週5日で働いていた人が週6日、7日と働ければ、単純に収入が上がります。
3.自分の能力・成果がわかる
個人的な考えもありますが、フリーランスになると自分の能力がわかります。
自分が成果を出さない限り、継続して働くこともできないので、シビアに見られます。
会社の力で給料をもらっていた人は下がりますし、そうでない人は上がります。
自分の成果もクリアにわかります。
フリーランスのデメリット
1.リスクがある
あなたが自由にいろいろなことをできるということは、それに伴うリスクもあります。
正社員と違い、常に仕事を取り続けないといけません。
たとえば、有給がないということはあなたが体調や精神を崩してしまうと収入が止まってしまいます。
何らかの理由で急に案件がストップしたり、市場環境が悪化したりして案件獲得が厳しくなるリスクもあります。
2.自分ですべてをやる
会社で働かないということはすべてを自分でやる必要があるということです。
営業、経理、法務など今まで会社がやってくれていたものを自分でやる必要があります。
もし、クライアントとの問題が起きたときにも自分で解決する必要があります。
フリーランスになると、今まで自分がどれくらいのことを他人にやってもらっていたのかがよくわかるようになります。
リモートの場合には、孤独になりやすいので、そうしたマネジメントも必要です。
3.成長が鈍化する
フリーランスは成長も自分でマネジメントする必要があります。
油断していると、今まで自分が身につけた能力を切り売りする形で、あまり成長できない自体に陥ります。
会社とは違い、フリーランスでは、基本的にあなたの持っている専門性に期待しているわけなので、育ててくれるわけではありません。
向いている・向いていない人
さて、あなたはフリーランスに向いているのでしょうか。
フリーランスの働き方は会社員の働き方とは大きく異なります。
人によって向き・不向きがありますでの、そこを見ていきましょう。
技術に自信があるかどうか
技術に自信がある人は向いているでしょう。
フリーランスとして高い報酬を得ている人たちは多くいます。
受託であっても、AIや機械学習などの技術をベースに、クライアントから高い報酬やときには株式をもらっていることもあります。
技術がない人はある程度の技術力をつけてからの方がいいです。
少なくとも自分の得意分野があると安心感が違います。
その分野で稼ぎながら新しい技術を学んでいきましょう。
自主的・いろいろなことをやりたいかどうか
プログラミングに留まらず、多くのことをやりたい方にはおすすめです。
自分で物事を積極的に進められ、プログラミングとは関係がない新しいことに挑戦する人は非常に向いているでしょう。
逆に、仕事だけやりたいという人は会社の方がいいです。
時間的な拘束はありますが、会社員も実は自由な面があります。
土日出社はしなくていいケースが多いですし、必死に案件獲得をしたり、資金繰りを考えたりするリスクは少ないでしょう。
体力・精神的にタフかどうか
見過ごされがちですが、フリーランスは一般的な企業にあるようなセーフティーネットはありません。
会社であれば、チームでサポートしてくれますが、フリーランスの場合にはそうはいきません。
体調管理も重要となります。孤独になることもあります。
また、企業で働くのに慣れている人にフリーランスとして一人で働くことはかなり特殊です。
自分がそうした状況に対して、向いているのかどうかも試した方がいいです。
フリーランスになるための準備
さて、フリーランスになるための準備はどうすればいいのでしょうか。
業務経験がある人・ない人に分けてご紹介します。
業務経験がある人
すでに業務経験が一定ある人は、まず案件紹介を行うサービスに行って相談をしましょう。
彼らは案件紹介だけでなく、フリーランスとして活動していくうえでのあらゆるサポートを行っています。
あなたが今、疑問に思っているような、給料であったり、案件であったり、成功パターン・失敗パターンであったりをすべて知っています。
幸い、相談だけで費用がかかることはないので、合わないと思ったら会社員を続ければいいです。
自分が実際に請けられそうな案件を聞いておけば安心感が大きいです。
- 高単価案件も多数のレバテックフリーランス
- 案件の質も量も充実のギークスジョブ
- 地方案件も多数の大手老舗はPE-BANK
- 給与保証で安心のMidworks
- 小回りの利くポテパンフリーランス
業務経験のない人
業務経験がない人がいきなりフリーランスになるのは難しいです。
だいたいどこの会社でも最低1年~2年の業務経験が求められます。
フリーランスの人は即戦力なので、すぐに仕事に取り掛かれるレベルではないと難しいからです。
独学する方法もありますが、非効率になりがちで、挫折率も高いので、プログラミングスクールをおすすめします。
転職までサポートするところが複数あるので、こうしたところで実務経験を数年積んでおくのがおすすめです。
20代は無料で勉強可能
GEEK JOBとプログラマカレッジはどちらも20代であれば、無料で勉強可能です。
転職支援までしており、そこで収益を得ているので、転職までがっつりサポートが期待できます。
有料スクールもあり
ポテパンキャンプは有料で15万円ほどかかりますが、非常に評判がいいです。
TECH::EXPERTやWebCampProは50万円ほどかかりますが、サポートが充実しています。
プログラミング学習サービス
独学の場合にもプログラミングスクールを利用する場合にもProgateやドットインストールはおすすめです。
基礎からわかりやすく学べます。
さらに知っておきたいこと
個人的な経験
自分の場合は起業もフリーランスも経験があります。
労働時間も場所も自由ですが、基本的には土日を含めてずっと働いています。
自分が体調を崩したら収入は無くなりますし、営業・契約・会計などはすべて自分でやる必要があります。
会社員をやっていたときを思い出すと、不満は多くありましたが、恵まれていたなと思うこともあります。
- 月に1回必ずお金が振り込まれる
- 経験がなくても新しいものにチャレンジさせてもらえる
- 失敗しても給料は下がらない
- 土日は働きたくなくてもいい
両方の働き方を体験しているので、それぞれのメリット・デメリットがあることがよくわかります。
安易に独立を進める人はいますが、自分以外の人は自分の人生に責任を持ってくれません。
重要な意思決定は、徹底的に情報収集をしたうえで、自分で決めましょう。
また、キャリアの選択肢は年齢と共に減っていくので、早めに動きましょう。
ほかにもキャリアやフリーランスに関する記事があります。こちらもどうぞ。