【出資・借入】起業・ベンチャー・個人事業主が知るべき資金調達方法

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最近ではミートアップだったり、様々なイベント、オンラインでの記事でも情報は増えてきて、起業に関する陥りがちな失敗や適切なアプローチなどあらゆるノウハウの共有が進んでいます。

その中で、後戻りできない重要な意思決定の1つとして資金調達が挙げられます。こちらもノウハウは共有されつつありますが、いざ自分で始めると細かい部分で色々とつまづきます。(というかつまづきました)

多くの起業家にとって、起業してからの資金調達は初めての資金調達なので、起業家も慣れていない場合が多く、多大な労力をかけたり、不利な条件で進めてしまうこともあります。

確かに、概論の情報は集まりやすくなっても細かい部分、特に実務に関しての情報は表にあまり出ません。

さらに、スタートアップ界隈は村社会なので、中に入ると多くの情報が入ってきますが、外からではなかなかその実態がつかみづらくもあります。

そこで、初期の資金調達に関して、まとめました。自分の知りたかったことを網羅していったら非常に長文になってしまいました。

そもそもなぜ資金調達が必要なのかを考えましょう

スタートアップ=資金調達というイメージがありますが、もちろんそんなことはありません。株式を渡すということは経営権の一部を渡すということにもなりますし、関連して様々な事務作業も発生します。

初期の株主ともめるケースもあります。もし多額のお金が必要ない場合には自己資金で運営する方法もありえます。

ただ、事業モデルによっては、マーケティングなどに多額の費用が必要だったり、エンジニアを相当数採用する必要があったりと資金調達をしないと進めにくい事業もあります。

資金調達の方法を考える

資金調達の方法は主に、融資と投資があります。取り組むビジネスによってもどちらが適しているかは異なります。返済の方法や時期、リターンの期待値も違いなど性質が大きく異なります。

一般的にスタートアップでは出資にスポットライトが当たりますが、事業の性質によっては融資の方が良い場合もあります。

なによりもそもそもしない方がいいかもしれません。

  • 自己資金
  • 融資
  • 出資
  • クラウドファンディング

自己資金のメリット・デメリット

最初は自己資金が一般的でしょう。いきなり資金調達をするケースはまれかと思います。

自分の周りを見ている感じだと最低でも100万円~200万円程度のお金を準備してはじめている人が多いです。

メリット

  • コントロールが効くこと
  • 自由にできる

自分で作った会社にコントロールが効いたり、自由にできるということは当たり前に思うかもしれません。

もちろん、最初はそうなのですが、会社を大きくしていく中で、融資・出資などの資金面や提携などでの業務面、いろいろ面からできることが制限されることがあります。

自己資金はそうしたしがらみがないために、可能な限り、自己資金で進める方がいいといわれています。

デメリット

  • 限界がある

当たり前ですが、起業をするだけのエネルギーがあってお金もあるという状況はそうは多くありません。

特に若い起業家が増えていますが、彼らに多額の自己資金を準備することは難しいでしょう。

何を目指すかにもよりますが、急拡大をするような会社を作りたいような場合にはなかなか自己資金だけでは厳しいこともあるでしょう。

友人や家族から借りる

友人はあまり聞いたことがありませんが、家族や親戚からお金を借りている人はよく見ます。

金額は100万円~500万円程度で、どちらかというと自己資金と同じような位置づけで、将来的に別の資金調達方法をするまでに使うというイメージです。

メリット

  • 借りやすい

一番のメリットはその手軽さだと思います。実際に、資金調達の活動をすればわかりますが、実績のない状態でお金を貸したり、出資したりしてもらえることは少ないです。

そんなときに当面の費用として、借りるにはいいのではないでしょうか。

デメリット

  • 関係性への影響
  • 金額の限界

起業の成功確率はご存知のとおり、そんなに高くはありません。

自分でも起業を経験していたり、ベンチャーに理解のある人であれば問題ありませんが、期待値が高かったり、確実にリターンを求めるケースではもめる可能性があります。

また、知り合いに大金持ちがいるというケースも少ないでしょう。そのようなことを踏まえると、大きな投資が必要な場合には、向いていないかもしれません。

融資のメリット・デメリット

融資は銀行などからお金を借りて、それに利子をつけて返済していくことです。受託事業やコンサルティングなど継続的に売上が上がるモデルに関しては融資が向いています

売上や利益が線形に拡大していくようなビジネスモデルです。事業次第では、スタートアップと区分され、スモールビジネスというような言い方をされる場合があります。これは優劣ではなく、ビジネスの性質の違いです。

融資のメリット

  • 自由に経営できる
  • 初めてでもわかりやすい

融資のメリットの1つ目は、経営の自由度が保たれるということです。これは投資家の場合には、人によっては細かくレポーティングが必要だったり、会社の方針についてフィードバックをもらうことがあるのに対し、返済している限りは比較的自由に経営できます。

2つ目は初めてでもわかりやすいということです。たとえば、融資の場合には、融資金額・利子・返済期間などが主な論点になり、ファイナンスの経験が無くとも戸惑うことは少ないですが、

投資の場合には、企業評価額(バリュエーション)や調達金額、優先株になる場合には考慮すべき要素も増えますし、企業評価額の考え方などもファイナンスの経験が無い人にはそれなりの負担がかかります。

融資のデメリット

  • 返さなくてはならない
  • (通常は)実績が無いと難しい

当たり前ですが、融資は返さなくてはいけません。最初は利子だけを払う一定の期間を設けることもありますが、基本的にはある程度早い段階から返済する必要があり、事業への投資として使える金額は融資額全体に比べると少なくなります。

2点目に関しては、本来は実績のない企業への融資は厳しいのですが、最近では、起業のサポート体制が整ってきており、融資を受けやすいところがあります。後ほど記載しています。

投資のメリット・デメリット

投資はエンジェル投資家(以下、エンジェル)と呼ばれるお金持ちの個人やベンチャーキャピタル(以下、VC)と呼ばれる会社からお金をもらう代わりに、彼らに一定の株式を渡す方法です。

彼らは会社が成長した後に、株式公開(IPO)や会社を売却する(M&A)タイミングで自分の株式を売却して利益を得ます。(これを一般的にExitと言います)

したがって、会社が大きく成長し、自分の保有した株式が大きく値上がりすることを期待します。投資は利益を得るために一定のキャッシュが必要なものの、売上や利益がある段階から爆発的(非線形)に伸びるモデルに向いています

いわゆるスタートアップのモデルとして知られるようなタイプです。

メリット

  • 現金として返さなくてよい
  • アドバイスやサポートが受けられる

1つ目にメリットとして挙げられるのは、調達した金額を直接返す必要がないということです。(最終的にはリターンとして返すのですが)

2つ目には、投資された人からアドバイスやサポートが受けられることが挙げられます。事業に関してのフィードバックや他の起業家や投資家の紹介なども期待できます。適切な人たちが株主になれば、成功の確率を上げることができます。

デメリット

  • 経営権を渡すこと
  • リターンが減ること
  • 投資家によるリスク
  • 契約内容が難しい

1つ目は経営権を一部渡すことのリスクが挙げられます。放出する割合に依存しますが、投資家に多くの株式を渡してしまうと自分の作った会社なのに経営権が無かったり、あらゆる意思決定に確認や相談が必要な状況になってしまいます。

特に若手起業家の場合には、共同創業などと持ちかけられ、多くの割合を株主に渡してしまったり、失敗が多いのも事実です。

また、2点目としては当たり前ですが、会社を売却、上場したときなどのリターンが減ります。

一切の資金調達をせずにExitまで至ることは困難ですが、あまりに無計画に渡すと自分が得られる金額がかなり減ってしまうことになります。他にも投資家や契約内容のリスクがあります。

株主への報告に工数がかかったり、戦略やオペレーションへの関与、うまくいかなかったときの株式の買取請求(買戻し)だったり、その他にも投資家に有利な条件を付けられてしまうこともあります。

資本政策(資金調達の戦略・計画)は唯一の後戻りできない意思決定だと言われるくらい重要なものなので慎重に行う必要があります。

クラウドファンディングのメリット・デメリット

クラウドファンディングも以前に比べて浸透してきました。

これまで出資はといえば、1人数百万単位が一般的でしたが、数千円~数万円というより低い金額で参加できるものもあります。

先日もFUNDINNOというサイトで無料タクシーのプロジェクトが一瞬で5千万円を調達していました。

メリット

  • 共感してもらえると集まりやすい
  • 手間が楽
  • ニーズがわかる
  • ファンなどお金以外のものが手に入る

一番のメリットは、融資や出資などでは集まりにくいもので、お金が集めることができる可能性でしょうか。

たとえば、タクシーの件でいうとビジネスモデル的には、無料でタクシーを継続することは難しいということはほとんどの投資家からすると自明ですが、そうしたものでもお金が集まります。

革新的なものや共感を呼びやすいものは集まりやすいといえるでしょう。

また、僕自身は融資や出資を経験していますが、それに比べると手間はかからなそうです。

やり方次第ではマーケティングとして、顧客を獲得したり、ファンを作ったり、ニーズを検証したりできるのもメリットでしょう。

デメリット

  • 投資家が増えるリスク
  • 不確実なリスク

一般的に投資家が多くなることにあまりメリットはありません。

数社(者)の場合には、事業に対するアドバイスや資金調達のサポートが期待できますが、ここでの投資家はそのようなサポートはないでしょう。

たとえば、5千万円というお金を集めるときに、3~4社(者)から集めるのと、タクシーの例のように254人から集めるのは大きな違いです。

株主総会の対応(案内だけでも250以上)や何か問題が起きたときの対応など気になることもたくさんあります。

かなり実験的な段階なので、優先順位は下げても良さそうです。

経験者・プロに話を聞きましょう

過去に資金調達の経験が無い場合には、まず情報を収集しましょう。

起業家の知り合いがいる場合には、起業家でも良いですし、信頼できるエンジェル投資家の人やベンチャーキャピタルの人がいれば、その人から概論を勉強するのがおすすめです。

また、最近では、資金調達やシード期の企業向けにイベントも充実していますし、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルの人が参加するイベントも増えています。

知り合いがいない場合には、まずスタートアップ関連のイベントに出席し、知り合いを増やしていくことをおすすめします。

起業家支援のアクセラレータや団体がたくさんありますので、評判の良いところに行かれるのも良いかと思います。

以下、実践編として自分が経験のある融資や投資の進め方をご紹介します。

融資をうける方法

ポイント

  • 計画
  • ロジック

融資の場合には、計画を論理的に説明できることが重要です。月次の収支予測(損益計算書)を作成し、それぞれの数字を競合や過去の自分の経験から1つ1つ説明し、説得できるだけの圧倒的な情報を集めて、計画することが重要です。

売上は考慮されますが、残念ながらプロダクトや仮説検証の進捗は特に見られません。もし、作成が苦手な方がいましたら知り合いの方やコンサルタントなどに依頼するのも選択肢の1つかも知れません。

どこから融資を受けるか

  • 日本政策金融公庫
  • 制度融資

基本的に実績のない会社に融資は行われません。その例外となるのが、上記の2つです。

日本政策金融公庫では新創業融資という制度があり、担保・保証人なしで可能です。起業のイメージとして、借金に社長の個人補償が必要で事業に失敗すると返済に追われるというイメージがある方もいるかもしれませんが、この制度の場合は会社のみのリスクとなります。

自分の周りでも300万~900万程度の借り入れを行っている起業家はそこそこいます。

同じような制度で、制度融資というものがあります。これは都道府県や市区町村が金融機関や信用保証協会と連携して行っている制度です。新創業融資と同様に、起業したばかりでも調達しやすいような制度になっています。

1点、大きな違いは制度融資の場合は基本的には代表者が保証人となるので、新創業融資と比べると起業家のリスクが大きくなっています。

日本政策金融公庫の場合

僕は日本政策金融公庫の新創業融資で融資を受けました。流れとしては資料の提出(事業計画書と収支予測の資料)、プレゼンテーション、オフィスの視察、投資実行というシンプルなプロセスでした。

数年前なので細かいことは覚えていませんが4月から準備を始めて入金が6月だったので、プロセスは2ヶ月前後になるかと思います。

資料の提出に関しても日本政策金融公庫の方がサポートを受け付けており、プランのFBをもらって万全を期しました。

その後はシェアオフィスを借りていたのでそちらまでご足労いただき、融資の決定をいただきました。

資料作成は一般的に投資家をもらうときに必要となるような資料と同じものを準備し(投資パートでご説明します)、月次の収支予測は細かく売上や費用を前提を含めて説明するようなものです。全ての数字をクリアに説明できることが重要です。

投資を受ける方法

投資は融資に比べるとややこしいので、資金調達の概論、用語やプレーヤーを説明したうえで、ポイントをご紹介します。

資金調達の仕組み

具体的にどのような仕組みで資金を調達するかを説明します。たとえば起業家が1,000万円で会社を設立しますと、起業家の株式持ち分は100%になります。企業価値(バリュエーション)は1,000万円です。

本当の初期に株主として参加してもらう共同創業(起業家が900万円出資をして90%、投資家Aさんが100万円出資をして10%など)という形もありますが、あまり一般的ではありません。

一般的な方法としては、創業した後にプロダクトを作ったり、顧客を得たことを背景に企業価値が上がったものとして(ここのロジックは実際にはほとんどありません)資金を調達するというものです。

したがって、1,000万円で創業した会社が半年後、1億円の企業価値になったものとして、たとえば10%の株式を投資家に渡し、1,000万円を調達したり(持ち分:起業家90%、投資家10%)、1.5億円の企業価値になったものとして、20%の株式を投資家に渡し、3,000万円を調達したりします。(持ち分:起業家80%、投資家20%)

冷静に考えると、数ヶ月で株価が10倍以上になるという衝撃的な伸びですが、実務としてこのように運営されています。

投資した彼らはこれらの会社が上場したり、売却されたタイミングで株式を売却して利益を得ます。

たとえば1,000万円を出資して10%の株式を保有している会社が50億円で買収された場合には、5億円を手に入れることができるので、5億円-1,000万円の4億9000万円が利益となります。

彼らとすれば、多くの投資が失敗しても多額のリターンを1社から得られれば問題ないということになります。

〇〇ラウンドという呼び方

あまり実務とは関係ないのですが、スタートアップの初期の調達をエンジェルラウンドと言ったり、シードラウンドと言ったりします。

前者は数百万前半から1,000万円程度まで、後者は500万~5,000万くらいまでがだいたい多くなっています。(最近では5,000万以上もあったり)

その次の資金調達をシリーズAと呼び、その後はシリーズB,C,Dと続いていきます。シリーズAは1億円以上の調達が一般的です。会社ごとにも大きく異なるので、シードラウンドで1億円以上集まるケースもあれば、シリーズAラウンドでも1億円を切る場合があります。

調達環境と相場

これはすぐに変わってしまうのですが、2018年現在は調達環境は良いと言われています。というよりもここ数年は起業家にとって良い状態が続いています。

アクセラレータなどのプログラムを見ても2010年には10%に対して300万円調達(評価額3,000万)、2012年には10%に対して500万円調達(評価額5,000万)、2016年には7%に対して700万円(評価額10,000万)と上がってきています。

起業家に対して資金が多い状況からバブルだという見方をする人たちもいます。

実際に自分の回りで調達した人の話を聞くと、プロトタイプやトラクションがつき始めたプロダクト(売上はなし)で評価額で1億、会社によっては2億あたりが一般的なのかと思います。

売上が立っていたり、シリアルアントレプレナー(何回か起業している人)だったり、大物がチームや株主に入っていると高くなる傾向にあります。

初期にあまりにも株を渡してしまうとその後の資金調達や会社のコントロールに問題が出ますので、1回あたりの放出は20%以下が望ましいと言われています。

特にシード期では会社の評価額があまり高くなく、株式を渡す割合の割には調達金額が少ないので、可能なら分割して1年~1.5年程度の必要な資金を調達して、より高い評価額で次のラウンドを迎えることも重要です。

エンジェルとVCという全く異なる2タイプの投資家

投資家は大きく2タイプのプレーヤーがいますが、その違いが正しく認識されていないことがあります。

1つはエンジェル投資家と呼ばれる個人の方で過去に起業して会社をExitした人や外資系の金融機関や大企業の役員などで一定の資産を持つ人たちです。

彼らは金銭リターンだけでなく、自分自身が特定業界に詳しくなりたかったり、自分がやれないことを代わりにやってもらいたい、若者の夢を応援したいなど各々の方の基準でやっており、人にやってその基準はかなり異なります。

投資金額は人にもよりますが、300万~1,000万程度が一般的です。もう1つのプレーヤーがVCで彼らは基本的にLP(Limited Partners)と呼ばれる人からお金を集めてそのお金を増やして返すという仕事をしています。

つまり、彼らの仕事は他の人や会社から預かったお金を投資し、リターンを最大化するという金融業を行っています。投資するステージもVCによって様々で数百万から投資をするところもあれば、数億円以上しか投資をしないところもあります。

もう少しVCについて

VCのタイプ

  • 独立系VC
  • 金融系VC
  • CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)

VCにも様々なタイプがあります。1つ目は独立系と呼ばれるところで特定の会社などに依存せず、様々な会社からお金を預かっているところです。

ここのカテゴリーは本当に会社によっても様々で、初期の段階で若者向けに集中して投資をするところもあれば、ある程度会社が伸びてから投資する会社もあれば、海外向けに積極的に投資をするところもあります。

投資のレンジも会社によって様々です。金融系のVCは資金を運用する手段の1つとしてスタートアップに投資をするという位置づけです。前者に比べるといわゆる銀行に少し近いようなタイプになります。

最後のCVCはいわゆる事業会社がVCを行っている場合で、本業とのシナジーを重要視します。つまり、単なるリターンだけでなく、実際に自社の事業にどのようなプラスのインパクトがあるのかを気にして投資をします。

VCのビジネス

彼らはLPと呼ばれる出資者を募り、ファンドを立ち上げます。そのファンドの管理手数料(一般的に毎年2~3%)としてを得ることと、成果報酬として当初集めた金額を超過した部分の一定の割合(一般的に20%程度)を受け取るというビジネスです。

その回収期間が7年~10年程度が多く、この期間の前半に投資を行い、それらの企業を期間内にExitさせることが利益を得ます。

たとえば、50億円のファンドを10年間で運用すると毎年1億円を運営費として使用できます。社員が5人いた場合には、単純計算をすると1人2,000万円くらいの給料となります。

VCは残りの40億を投資に回します。仮に40億の投資が100億円になった場合には、100億円-50億円の50億円に対して20%の成功報酬をもらえるので、10億円が成果報酬になります。これも仮に山分けすると2億円ずつになります。(実際にはパートナーと呼ばれる偉い人達で分配されます)

起業家にとってはあまり関係ないように思われるかもしれませんが、VCからの投資を得る上では知っておいて損はありません。

ファンドの規模はVCによって大きく異なります。小規模なところは10億前後から大きいところは500億以上まであります。

一般的に投資担当者が見る案件数は多くとも15~20までに収まるので、ファンドの規模が100億円であれば当然、1つ1つの投資の規模が大きくなりますし、期待されるリターンも大きくなります。(1,000万円を1,000社に投資することは現実的ではないので)

準備するもの

基本的にはPCとプレゼン資料を準備します。服装は明確な決まりはありませんが、金融系の場合にはスーツではないと浮くことがありますし、独立系やエンジェルの場合にはスーツだと浮くこともあります。

ゆるそうなところは私服、そうでないところはスーツにされるのが無難かと思います。資料は様々な考え方がありますが、必要な要素がいくつかありますので、そちらを抑えるのが基本です。

たとえば、下記のような要素です。パワーポイントで作成する場合には10~15枚程度に収まる程度の内容が適量かと思います。やっていく中でよく聞かれる質問などがわかってくるかと思います。投資家と話しながら聞かれがちなことを補足したりして改善していきます。

  • サマリー
  • 顧客の課題とその解決策
  • タイミング(なぜ2年前でも2年後でもなく、今なのか)
  • マーケットサイズ(トップダウンだけでなく、ボトムアップでも計算)
  • 競合
  • 競合優位性(勝てる理由)
  • プロタクト
  • ビジネスモデル(お金をどうやって儲けるのか)
  • チーム、自己紹介
  • トラクション(現状の進捗)
  • 今後の計画(数年間の計画)
  • 調達内容と使い道(いくらの評価額でいくら調達し、主に何に使うのか、株主は誰なのか)

VCやエンジェルは紹介で会いましょう

アプローチの仕方としては誰かからの紹介が一般的です。

最も良いのは実際に投資を受けている起業家に紹介してもらう方法ですが、そうそう都合良く見つからないかと思うので、共通の知り合いや別の投資家の人から紹介してもらうような方法を取ります。

これはエンジェル・VCも共通なのですが、TwitterやFacebook、サイトのお問合せから連絡してもかなりの高い確率で返信はありません。(10%以下)

ただ、これはあなたのプランの内容とはほとんど関係はありません。エンジェル・VCの人は直接アプローチはどんな人が来るかわからないので返信しないという人が多いです。

共通の知人というフィルタリングが重視されています。(これが良いことなのかはわかりません)どうしても共通の知人が見つからない場合には、次善策としてイベントなどでアプローチしましょう。

どうしても他の方法が見つからない場合には、問い合わせフォームやFacebook, twitterなどがありますが返信率は10%程度かそれよりも低いということを覚悟しましょう。

マッチングのサイトもいろいろと出てきていますが、投資家の質もわからないため、基本的にはあまりおすすめしません

誰に会うかも重要

ここまでコントロールするのはなかなか難しいかと思いますが、できる限り決裁者(パートナー)と会いましょう。

営業も一緒ですが、直接話す方が話が早いですし、アドバイスやサポートも基本的にはパートナーと呼ばれる人の方が経験を積んでおり、期待できます。(忙しすぎるケースなどはありますが)

アナリストやアソシエイトと呼ばれる人に会うとその人が担当になり、その人の能力に依存して投資が決まったり、サポートの水準が変わることになります。

ただ、良いプランであればもちろんパートナーにも連絡が行きますし、ここまで紹介+決裁者となるとなかなかハードルも上がるので、知識として持ちつつも気にしすぎないことも重要です。

投資判断のポイント

投資判断は本当に人によって異なります。VCの場合には、究極的に金銭リターンが見込めるかになりますが、エンジェル投資家の場合にはリターンが必ずしも金銭だけとは限らないので、より個人差が大きくなります。

シード期の場合には、一般的には大きな売上が立っていないため、主に創業者の質やビジネスの市場、プロタクトの有無や顧客の有無、売上の有無などが考慮されます。

特に、シード期においてはプランというよりも創業者の質で判断されるケースも多くなります。

なぜなら、最初のプランのまま進めるスタートアップはかなり少数なので、方針転換(ピボット)しても最後に成功できそうか、やり続けられるかといったことを重視します。創業者の質は相性の部分もあり、ビジネスプランの深堀りや今までの経歴もあれば、年齢だったり、エンジニアかどうかが論点となります。

創業者の質以外にも、ビジネスの市場、顧客や売上などより事業進捗を踏まえて投資されることももちろんあります。

投資を受けやすくする

残念なことに、成功確率の高さ=投資のしやすさとはなりません。投資家には彼らの志向があり、投資を受けやすい条件があります。

たとえば、流行りの領域(暗号通貨)や技術(AI、機械学習、VR/AR)などは投資家としても魅力的な、投資が比較的受けやすく、たとえばアイディアレベルでもエンジニアがいれば調達をできる可能性もあります。

他にも、最近では若手起業家向けの投資が非常に増えているので、あなたが20歳未満だったり、20台前半であればそれだけで投資可能性が上がることもあります。(これが良いかはさておき)

シンプルにターゲット市場が大きい場合も投資を受けやすい要因になります。

多くの場合、投資家のリターンは最もうまくいった1社~数社でほとんど回収されるので、成功したときに大きくリターンが期待できないものには投資ができません。もしこれらの状況に当てはまらない場合には、実績で勝負することになります。

起業の初期はお金が無い中で事業を進めるタフな状態になりますが、最低でもプロダクトを準備すると投資されやすさは大きく変わります。

投資家としては、この人が本当にサービスを作れるか、顧客を獲得できるか、マネタイズができるのかといったことが論点になります。

これを1つ1つクリアするごとに投資可能性は上がりますし、そのときの企業の評価額も上がります。

投資契約

僕は投資契約のプロではないので、詳細は控えたいのですが、評価額や調達金額以外にも様々な条件が投資契約によって定められます。

一般的に、シード期の場合には普通株と呼ばれる会社を設立したときに発行した株が使われることが多いのですが、優先株という特殊な条件を付けたもので行われることもあります。

たとえば、2回目以降の資金調達で、会社の評価額が下がってしまった場合に投資家の人が損をしないような条項を盛り込んだり、会社が売却された際に分配される利益の取り分を調整するものなどがあります。

起業家側からすると条件が複雑になるほど理解も交渉も難しくなるので、特に初期の資金調達では条件はできるだけシンプルな形で進めるのが良いと思います。

最後に心構え

たくさん断られる

日本は現在、調達環境としては供給過多であるのは間違いないですし、シード期向けのエンジェルやVCの人が増えていることも間違いありません。

一方で、成果が出ている二回目以降の調達(シリーズAと言ったりします)にシード期の調達は比べて非常に大変だったと言っている起業家も少なくありません。

もちろん、運が良ければ最初に会った人から20分のMTGで1,000万円を調達ということも決してまれでは無いのですが、実績の無い状態でうまくいくことを説得することはなかなか難しいです。

かなり極端な例ですが、100社に断られた人もいたり、調達に半年以上かかった人もいたりと一筋縄ではいかないことも多いです。

モテモテになる必要は無い

上記と関連してですが、多くの個人や会社からオファーを受ける必要はありません。就活や婚活と一緒で、1人(1社)ぴったりの人が見つかれば大丈夫です。

100社断られても101社目にぴったりの投資家が見つかれば問題が無いわけです。重要なのはメディアにバンバン出ている人に断られても全く問題が無いということです。

当然、露出が多い人ほど多くの連絡が来ますし、投資家的に魅力的な案件が増えます。一方で、露出が少ない人ところには… ということもありますので、あきらめずに探し続けることが重要です。

若いから投資されやすい・されにくいところもあれば、海外はやらない・積極的にやりたいということもあれば、テクノロジーにしか投資しないというところや儲かれば何でもというところも様々です。自分に合った会社を見つけることが重要です。

まずは、1人見つける

先輩起業家でもVCの友人でも誰でも良いのですが、応援してくれる人がいると心強いです。「絶対、イケる!」と応援してくれる人を巻き込みながら調達に向かいましょう。

また、早めに最初の投資家を見つけてその人に紹介してもらったりも可能です。まずは、最初の1人を見つけることに全力を尽くしましょう。これだけ投資家がいますので、きっと1人くらいは見つかるはずです。

頑張っていきましょう!

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