死なないために、MP(やる気)を守る起業論

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死なないためにというポールグレアムのエッセイがある。ここにスタートアップが死ぬのは公的には様々な理由があるが、実際にはやる気がなくなったからだとかかれている。そして、これは非常に正しいと思っている。特に、日本の場合ではかなりスタートアップに対して資金供給が増えており、その量はスタートアップの増加に比べると過剰ともいえる。自分の周りを見ても調達はほとんど意思の問題で「調達をしようと思ったが、できなかった」という話はほとんど聞いたことは無い。基本的にお金があれば、自分も生活できるし、人も雇える。いわゆるウェブ系のスタートアップであれば、数年は問題なく事業を継続できるだろう。

それでもスタートアップが死なないかというとそんなことはない。「何兆円の会社を作ります」といっていた人が半年足らずでその会社を離れたり、いつの間にか事業をクローズしている例は非常に多い。メディアでは毎日のように新しいサービスのプレスリリースが出るが、それに対して上場や買収のニュースはどの程度あるだろうか。最初のプレスリリースが最後のプレスリリースになる企業がほとんどではないか。そして、サービスを継続できない理由のほとんどはやる気がなくなるからだ。成功は試行回数×成功確率でしかない。運の要素は大きいが、その確率を上げる近道は試行回数を増やすしかないのではないか。

僕は子供の頃にゲームをめちゃめちゃしていたので、このやる気というのはRPG(ロールプレイングゲーム)のMPに近いなと思っている。RPGにはHP(ヒットポイント=体力)とMP(マジックポイント)があって、HPが無くなるとそのキャラクターは行動不能になり、MPが無くなると行動はできるのだが魔法が唱えられなくなる。物語の前半はHP(体力が)大事なのだが、後半になるとMPが重要になる。MPさえあれば、何回でもHPを回復できるし、死んだ仲間も生き返らせるようになる。

起業家にとってもこのMPが大事だと思う。起業のHPを体力や資金だとしたら、MPがある限りいくらでも回復できる。また、MPの高い起業家は、高い熱量を持ってミッション、ビジョン、戦略などを語れるので、あらゆる人を巻き込んだり、投資を呼び込んだり、プロダクトの売り込みやチームビルディングにいるまで全てにおいて有利になる。RPGの魔法に近いかもしれない。ただ、このMPは通常、かなり増減する。起業経験のある人は知っているかもしれないが、起業家の感情はかなり揺れ動く。ある日は自分が本当に天下を取った世界でもかけがえのない存在だと思うし、ある日は自分は何の価値もない人間だと感じる。サラリーマンのときのアップダウンを-1から+1くらいだとすると、控えめに言っても-20から+20まで揺れ動く。これをコントロールするのは難しいので、どちらかというと把握する方が重要だと個人的には思っているのだが、スタートアップ関連のノウハウは溜まってくるにつれ、少しずつこのMPの守り方に関してもいくつかの方法論が見えてきているように思う。

1.MPを守る(ダメージを減らす)

A.ダメージを避ける

もちろん、事業や人間関係がうまくいかなかったりというのは様々なパターンがあるのだが、スタートアップにおいて大打撃を受けるパターンはだいたい決まっている。共同創業者選びを間違えたり、間違った資本政策を行ってしまったりというのはかなりあるあるだと思う。間違った市場を選んだり、思い込みで顧客を理解することなくプロダクトを作ったり、仮説が検証できていない段階で早すぎる拡大をするといったこともあるだろう。これらのことは研究されてきているので、関連する書籍も多い。最低限のスタートアップの知識をつけることで、格段にダメージを避けることができる。ただ、スタートアップの知識ばかりつけてしまってはならない。

完全網羅 起業成功マニュアル

起業家はどこで選択を誤るのか――スタートアップが必ず陥る9つのジレンマ

起業のファイナンス

リーンスタートアップ

 

B.ダメージを減らす

どんなにダメージを避けようとしてもいつかは必ずダメージを受ける。無傷の起業家なんていないのではないか。死にそうになった数だけ強くなるサイヤ人でありたいが、死んでしまってはいけない。1つは仲間を持つこと。絶望的な状態で一人というのはあまりにもきつい。それを分かちあえるパートナーだったり、仲間だったり、友人だったりがいると救いになる。もう1つは知識をつけること。最近では多くのオンラインの記事もあれば、起業家の書籍(以前よりも減った気がするが)もあるので、順風満帆な起業などないことがわかるだろう。さらに上げるとしたら強くなること。ただ、これは多くの場合、強くなろうとしてなるのではなく、絶望の数だけ結果として強くなる。以下は、読むと胃が痛くなるような重めの本たち。

ハードシングス

成功者の告白

社長失格

渋谷ではたらく社長の告白

 

2.MPを回復する

上述したように必ず起業家はダメージを受ける。そこで、減らし方だけでなく、回復の仕方も考える必要がある。そして、その手法はかなり個人によ依存する。飲み会にコンスタントに行く人もいれば、筋トレをしたり、イベントに行ったり、他の趣味をしたりと周りを見回しても色々といる。ただ、これもいくつか有効だと思われるアプローチが見つかっている。1つはコミュニティやイベント。Yコンビネーターだったり、投資家のアンリさんがやっている食事会だったり、起業家同士のコミュニティによる回復は1つパターンとしてあるかと思う。特に、男性は事業がうまくいかないと引きこもりがちになるらしいので、意識的に外界に出た方がいいと思う。こちらもイベントオタクにならないように気をつける必要がある。ちなみに、僕の場合は人に会うと元気になるので、たまに人に会うようにしているのと、たくさん寝ないと元気が出ないので、起業後も平均7~8時間は寝ている。

 

3.MPが低くくなっても耐える

書いている途中でもう1つ思いついたので、付け加えたい。回復とは少し違うのだが、あきらめない力みたいなものがあると思う。つまり、さらっと「あの事業やめたんだよね」と言いにくくすることが重要だと思う。まだ戦えると思うレベルがそれぞれ違うので、MP50でやめてしまう人がいれば、MP0まで頑張れる人もいる。これをいかにMP0まで頑張れる状況を作るか。例えば、副業として起業をしているとしたらメインの仕事をやめること。プロダクトのプレスリリースを出したり、友人たちに起業したと報告すること。エンジェル投資家から投資をもらうこと。起業したきっかけや原体験を定期的に確認すること。ちなみに、コンサルに行った友人はステータスや機会費用が高くなりすぎてなかなか起業できないパターンも見るので、低賃金に慣れることも助けになるかもしれない。

 

元気の出る言葉たち

最後に、MPが低くなった時に元気が出る言葉を色々とご紹介したい。

 

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